東洋医学

東洋医学の不思議

今や、コロナの疫病退散に加えて、ロシア退散も祈らなければならないとは、さらにさらに昨夜のような大地震、この地球はどうなるのでしょうか。 さて、本題です。先日の鍼灸治療での不思議な出来事です。患者は、88歳の超高年齢の男性です。最近は80代といっ…

日本の鍼灸の歴史

以前「世界の鍼灸事情」について中国、韓国の歴史、制度などを書きましたが、日本の鍼灸事情について述べてみます。 鍼灸は、今から二千年以上前に、古代の中国で誕生しましたが、日本への伝来は、飛鳥時代6世紀半ばに朝鮮半島から伝えられたと云われていま…

東洋医学における診断

以前のブログで東洋医学における診断で「脈診」のことを書きましたが、今回はそれによる実際の臨床の話しです。 脈診は、おそらく2~3世紀頃の古代中国の医学書『難経(なんぎょう)』の六十九難の法則によってツボ(経穴)を選ぶやり方です。 脈診の部位 上…

お灸の話し「棒灸(ぼうきゅう)」

東洋医学は、鍼(はり)、灸、漢方そして養生と云われています。治療にも欠かせないのがお灸ですが、一般的に熱いというイメージがあります。 お灸にも種類は色々あり、熱いイメージの灸は、皮膚に直接モグサ(よもぎが原料)を置いて施灸するからです。生体…

コロナと東洋医学

現在、新型コロナは第2波の最中で、勢いが衰えたとはいえまだまだ感染者が多くいます。同じコロナに感染しても、無症状の人や重症者、軽症で済む人など個人差があるようです。 それは、コロナの感染力に対して個人が持っている自然治癒力、免疫力、抵抗力な…

「女医明妃伝」

華流の連続ドラマを初めて見ましたが、允賢(いんけん)という中国・明の女性医師で中国四大女医の一人の物語です。 女性の身分が低く医学に携わることも禁じられていた時代に、女性のための医学制度を確立し、彼女が残した「女医雑言」は後世の中国医学に大…

東洋医学からみた腰痛治療

東洋医学の道に入ったとき、先ず臨床で最も多く出会うのが腰痛治療です。 患者の疾患の割合は、腰痛が30~40%程度、そして関節痛、肩こりなどが続きます。 西洋医学では、腰痛の病理、病因を知覚神経の障害とみなすため、一般的に腰椎の異常、椎間板の突出…

陰陽五行論(いんようごぎょうろん)と東洋医学

東洋医学の基本的な考え方に「陰陽五行論」というものがあります。 陰陽五行論と一体になっていますが、本来、発生的には別々な陰陽論と五行論が、合わさって出来たものと考えられます。 中国古代の思想家たちは、万物が形をとって現れる状態、一切の現象は…

世界各国の鍼灸事情

鍼灸が今や日本、中国、韓国だけでなく、欧米でも盛んに 行われるようになっています。 そこで世界各国でどのような歴史、制度によって営まれて いるのか少し調べてみたいと思います。 各国の鍼灸事情をみるうえで、やはり中国における鍼灸の 歴史は欠かせま…

上実下虚

東洋医学には、上実下虚という上衝性疾患を表わす言葉があります。 人体は、全身を循環する経気の流れの中で、陰気は昇り、陽気は降りることで体調のバランスが保たれています。 上実下虚とは、気血が下焦から上焦に衝き上がり、上焦部にさまざまな病変を引…

鍼灸の不思議と亡き師の教え

今は亡き師の教えで「こころが病めば、からだも病み、からだが病めばこころも病む。」と、よく云っていた。 しかし、なかなか実感出来なかったが、この教えは、臨床、特にこころの病の患者を経験するうちに初めて感ずることである。 生命体は、気を一元とし…

遠方へ出張診療

昨日は、埼玉の介護施設への訪問診療である。そこは、T社時代の同期Y氏夫妻が営む、特養の介護施設である。 Y氏とは、同期入社で、同じく早期退社して、わたしは、東洋医学へ、Y氏は、介護事業へと二人とも今までと全く違う業種に進んだのである。 彼は、経…

杉田玄白の『解体新書』

NHKのBSで「英雄たちの選択」という歴史番組がある。 日本の運命を決める岐路に立った英雄たちが、どの「選択」を行ったかを古代史、考古学、歴史学などの専門家により、英雄たちの心中を探るという歴史番組である。 歯切れのよい司会の磯田道史氏は、…

閃輝暗点(せんきあんてん)

閃輝暗点ときいて、医療関係の人なら何か分かる人は、それなりにいると思う。 わたしも鍼灸の専門学校で習ったのであるが、片頭痛の前兆で知られる。 片頭痛とは、女性に多く頭の片側に、脈を打つようにズキンズキンと痛み、動くと悪化するのが特徴だ。 そし…

鍼灸治療法

脈診の代表例:六部定位脈診 鍼灸の治療には、自分の治療のスタイルが必要であるが、わたしは、脈診を基本とする、本治法、標治法で行っている。 これは、今は亡き我が師S先生に10年以上学んだ経絡治療というものである。 古代中国の医学書『難経』の六十九…