以前から気になっていたのであるが、「マケドニア」という国である。
ギリシアの北で、バルカン半島のユーゴスラビアが崩壊して誕生した国の一つである。(他にクロアチア、ボスニア、セルビアなど紛争が激しい印象で、よく分からないところ)
同名の地域を国内に持つギリシアが、この国名に反対していた。
しかし、最近マケドニアの頭に北を付けて、新たな国名「北マケドニア共和国」に改称したという事で、ギリシアも承認したようだ。
実は、このマケドニアこそ、ギリシア史に登場して「ヘレニズム文化」を生み、日本の飛鳥の文化などに大きな影響を与えたのだ。
マケドニアは、紀元前4世紀に就いたアレクサンドロス3世(以前は名高いアレクサンダー大王と呼ばれていた。)で興隆を究めたので有名である。
「ヘレニズム文化」とは、ギリシア文化が東方の文化と融合してできた東西融合文化である。
東方とは、現代のトルコやイラン、イラクであり、インドよりも西側の地域である。
この東西融合文化であるヘレニズム文化が、ヨーロッパでは、後のローマの文化へと引き継がれていく。
そして一方、インドの北のガンダーラ美術、そしてシルクロードを経て中国の南北朝文化、そして日本の飛鳥・天平文化にまで影響を及ぼしたのである。
このように、ヨーロッパとアジアは紀元まもない時期に繋がっていた事は興味深い。
写真は、ヘレニズム美術の代表作とされているラオコーン像から日本に到るまでの代表作を掲載した。