ノートルダム大聖堂火災と法隆寺火災

今月15日に、ゴシック建築を代表するノートルダム大聖堂が、火災にあった。今日もまだ、ニュースで何かと報じられており、影響の大きさが分かる。

13世紀に完成した、この世界文化遺産は、何百年ものあいだ、多くの人々から親しまれ、守られてきた。これが焼失してしまうのは、全世界の人たち、とりわけ関係者にとって辛いことである。

建物内の貴重な文化財の大半は、奇跡的に難を逃れた模様である。原因はエレベータの電気回路のショートらしいが、判明は困難であろう。

今月15日に、ゴシック建築を代表するノートルダム大聖堂が、火災にあった。
まだニュースで何かと報じられて、影響の大きさが分かる。
13世紀に完成したこの世界文化遺産は、何百年ものあいだ、多くの人々から親しまれ、守られてきた。これが焼失してしまうのは、全世界の人たち、とりわけ関係者にとって辛いことである。
建物内の貴重な文化財の大半は、奇跡的に難を逃れた模様である。原因はエレベータの電気回路のショートらしいが、判明は困難であろう。


日本ににおける文化財の火災を見てみると、1949年、奈良県斑鳩町の千年の古刹「法隆寺金堂」の火災がある。解体修理工事中に起きた火災によって金堂の壁画が一瞬にして消えた。
原因は明らかになっていない不審火によって金堂が炎上。壁画は焼け焦げてその芸術的価値は永遠に失われてしまった。
 この壁画焼損事件は、日本の文化財保護の歴史における象徴的な事件として記憶されている。この事件をきっかけに文化財保護法が制定された。

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法隆寺金堂と五重塔   6号壁阿弥陀浄土図

 尚、焼け焦げたオリジナルの壁画は法隆寺内の大宝蔵殿の裏手の収蔵庫に、焼け焦げた柱などと共に保管されている。いずれ公開する日がくるかもしれない。
 しかし法隆寺は、奈良時代に落雷により焼失している。創建後百年を出ないで落雷によって火災に遭ったことは、『日本書紀』天智紀の記事で有名である。
 その火災の年代をめぐっては、明治三十年代から、名高い法隆寺再建非再建論争が展開されるが、発掘調査により、天智9年(670年)の火災が広く知られる。

 

また、1950年に金閣寺が全焼したのも衝撃的であった。この火災の原因が、20代の修行僧の放火だと明らかになったからだ。この事件を題材に、三島由紀夫が長編小説『金閣寺』を書いた。
現在の金閣寺は55年に復元されたものである。

 

 2008年に、韓国ソウルの国宝第1号の崇礼門(スンネモン通称:南大門)が放火とみられる火災により、崩壊したのが記憶に新しい。

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再建された金閣寺   崇礼門(スンネモン通称:南大門)

 各国とも文化財の失火、放火などの防火対策については、スプリンクラーの設置などの対策が急務であるが、費用の問題でどこまで出来るか難しいと思われる。