奈良のシカ

再び奈良から帰って参りました。

東京も暑いですが、奈良も暑い。立秋も過ぎたというのにいつ収まるのでしょうか。

この暑さの中、奈良のシカは、どうしているのでしょう。

奈良公園に行ってみました。

毎年の夏の暑さに慣れているのか、シカもそれなりに、各自、工夫しているようです。

 

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日陰の側溝で涼をとるシカ



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池に入って涼しそうなシカ(春日大社付近)

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奈良国立博物館付近にも

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地べたでじっと動かないシカ

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暑くとも、チャドルを着るイスラム教徒の観光客に、餌をねだるシカ

 

奈良の鹿は、奈良市中心部の東大寺春日大社のエリアに住んでいますが、れっきとした野生動物です。その数は1300頭と云われています。

シカの主食は芝生の草ですが、15Kg食べるそうですから結構、大食漢です。

観光客が与えています鹿せんべいは、米糠と小麦粉だけできているそうが、おやつのようなもので、主食はあくまでも草です。

 

奈良と鹿との関係は、遥か昔、鹿島神宮の主神である武甕槌命(たけみかづちのみこと)が白鹿に乗って春日大社に降り立ったのです。この鹿は、神鹿として奈良の人々に特別視されてきました。

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白鹿に乗る武甕槌命(たけみかづちのみこと)

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武甕槌命(たけみかづちのみこと)

 

時々、鹿が観光客を襲う場合があるのですが、5月頃の子育ての季節で、古ジカを守るため母ジカが攻撃してくるのです。

通常は妊娠しているシカは「鹿苑」で保護されるのですが、野外で出産するシカもいるようです。

「鹿苑」は「奈良の鹿愛護会」が運営するシカの保護施設です。

 

また、シカは、元来、おとなしい性格ですが、観光客が鹿せんべいをじらして、なかなかあげないとき、怒って襲うこともあるようです。

 

わたしが見たなかでは、子供を追っかけまわすシカもいました。子供は泣いていたのですが、何か理由があるはずです。

 

木の下の所が、一直線に揃っている所があるのですが、これは、シカが届く高さまで、葉っぱを食べてしまったのです。

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木の下の所が、一直線に揃っている(春日大社付近)


また、奈良のシカの不思議な行動で、道路わきの草地に集まる大群がいますが、理由は分からないのですが、何か仲間意識で安心するのでしょうか。

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集まるシカ群

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         そのうちの一頭で何かまったりしている

兎にも角にも、『万葉集』においても歌に詠まれていた、野生の動物が、市民や観光客に親しまれて共存しています。このありさまは、本当に素晴らしいことであると思えます。