東京国立博物館が再開しましたので、早速行って参りました。
コロナ禍での、不要不急の外出は避けたかったのですが、今月下旬の奈良大学のレポート提出期限があったのです。
奈良での引率見学が中止となり、各自で博物館を見学して相当するレポートを提出するということです。
しかもこれを提出しなければ、今後の学内実習などには参加できないのです。
学内実習は、9,10月に3回ありますが、これもどうなるか分かりません。
何せスクーリングも在宅とかで、奈良に行かなければ意味が無いので、今年は、じっと我慢かもしれません。
それはそれとして、今やれることはやるということで、トーハクの見聞録です。
いつものように、上野駅の公園口に降り立つと何か様子がおかしい。降りてすぐに信号を渡るのですが、交通量の多かった道路が無いのです。
降り口を間違えたのかと思ったのですが、動物園に行く道は確かにあるので、道路を無くしたことが分かりました。
いつもは賑わう通りの人は、閑散としてぽつぽつとしかおりません。
東京国立博物館前の噴水は、変わりありません。
入館には、日時指定のオンライン予約で、入る前にスマホでチケットの表示を見せます。
今回は、本館、平成館、法隆寺宝物館の一部の展示でひっそりとやっているといった印象です。
最初に「法隆寺宝物館」を見たのですが、展示は一級品でした。しかしながら、とにかく驚くほど、展示室が暗いのです。傍に座っている学芸員の女性が見えなかった程です。
そう云えば、本元の法隆寺太宝蔵院の玉虫厨子を見た時も暗かったことを思い出します。
幾つか紹介しますと、入口の展示の灌頂幡は、法隆寺献納宝物を代表する名品です。見事な透彫で如来や天人、雲、唐草文などを表した金銅板(銅板に金メッキ)を組み合わせて構成されています。
銅製鍍金「摩耶夫人及び天人像」は、7世紀飛鳥時代の高さ10数㎝の作品です。
ルンビニ苑にて、摩耶夫人が、無憂樹の花枝を手折ろうとするや釈迦が、腋下から誕生したとの仏伝中の一場面を造形化したものです。
無憂樹とは、仏教の三大聖樹のひとつ。
そしてずらりと観音菩薩立像、菩薩半跏像が並びます。
平成館は「日本の考古」とうたって見応えのある展示でしたが、本館は、一貫性のあまり無い残念な印象です。
ただ近代美術の高村光雲、光太郎親子の作品は、さすがに素晴らしく目を引きます。
蛇足ですが、本館の前にユリノキがあります。これが神木みたいな立派な木で、今まで気が付きませんでした。
特別展の「聖林寺十一面観音三輪山信仰のみほとけ」や「国宝鳥獣戯画のすべて」は、残念ながら中止か延期になったのでしょうか。
このコロナ禍では、入館者が多く集まる展示は、当分出来ないのではないかと思います。
ただ特別展「きものKIMONO」が、6/30から開催されます。信長、秀吉、篤姫など歴史上の著名人が着用したきものが展示されるようです。
久しぶりの博物館見学でしたが、まだまだ入館者も少なく寂しいコロナ禍の見学でした。
おわり