コロナ禍で、奈良へはもとより遠くへ行くことが出来ず、近場で寺院を巡ろうと思います。
先日、手始めに本当に近場の調布にある深大寺へ行って参りました。ここには、旧き白鳳時代の仏像があって、一度見たいと思っていました。
深大寺は、新宿から30分程のところにあり、都心に近くにしては緑も多く、散策には心地よい所でした。
奈良時代に法相宗の寺院として開かれました深大寺は、その後天台宗に改宗しています。
参道沿いに、深大寺そば屋などが並びます。そばパン、そば饅頭などそばが名物のようです。
山門を通って本堂へ行きます。
慶応元年(1865)の大火から逃れた深大寺最古の建物です。茅葺屋根が趣あります。
敷地内には本堂、元三(がんざん)大師堂、釈迦堂、開山堂の4つのお堂があり、短時間で巡ることが出来ます。
本堂から元三大師堂へ行くときにナンジャモンジャの木が看板と共にあります。以前にどこかのお寺にもあったような気がします。
深大寺の最大行事は、「厄除元三大師大祭」で、慈恵大師(元三大師)像を安置しているのが、この元三大師堂です。
4,5月に慈恵大師像の特別開帳を予定していたようですが、秋頃に延期されたようです。
今回見学目的の釈迦如来像に逢いに釈迦堂に行きます。
飛鳥時代は、推古天皇が即位した592年から710年平城京遷都までをさした時代区分ですが、美術史などでは7世紀後半以後を分立させて白鳳時代(673~710)と呼んでいます。
この釈迦如来像は、飛鳥時代後期の白鳳時代に造られたので、白鳳仏と呼ばれています。
この像の珍しいのは白鳳時代の仏像というばかりでなく倚像ということです。
立像、坐像が多いのですが、椅子に腰をかけた姿の仏像を倚像と云います。中国北魏の影響を受けた飛鳥、白鳳時代に多いようです。
この白鳳仏に加えて、「法隆寺・夢違観音像」、「新薬師寺・香薬師像」の模造の像を加えて三尊像として展示してありました。
像高が80cmとやや小型で、奈良大仏、飛鳥大仏に及びませんが、美しく黒光りしたお顔に威厳が感じられます。
次に、開山堂も拝見しました。
昭和58年の開創1250年大法会記念事業として新築された奈良時代様式の堂宇です。
本尊に薬師如来、脇侍に弥勒菩薩、千手観音を安置しており、残念ながら金網越しにしか見られませんでした。
また本堂などのある中心より境内を抜けると、ひなびた感じのお堂がありました。
深大寺の名前の由来にもなった水の神・深沙大王を祀る深沙堂です。
深大寺の寺号ももちろん、深沙大王に由来します。
今、深沙堂に祀られる像は、鎌倉時代の優作で秘仏として長い間拝された事が無いようです。一度拝見してみたいものです。
そして参道に戻り、東参道の方へ行くと不動の滝があります。
深大寺には、深沙堂の裏手に水源地があり、またこの不動の滝に湧水が流れており、お堂、参道のいたるところに清らかな水が流れており、心地良いです。
また深大寺周辺には、神代植物公園、天然温泉、鬼太郎茶屋など見所満載です。
おわり