今回は、前回の常楽寺と稲城駅の反対側にあります妙見寺というお寺です。神仏習合(混淆)の お寺で、山上の奥の院に妙見宮という神宮があります。
妙見寺は、天台宗の寺院で神王山観音院と号し、創建年代は不詳ですが、天平宝字4年(760)の創建と云われ神仏習合の残る珍しい寺院です。
山門の前には、普通、神社で見かける阿吽の狛犬がおります。先日の常楽寺の、阿吽の金剛力士像と対照的です。
石垣で造られた手水舎があり、龍の頭のようにも見えますが。
境内はそれほど広くありませんが、福徳延命地蔵菩薩像をはじめ多数の石像があります。
天台宗寺院ですので天台宗宗祖、伝教大師最澄上人像もあります。
また「住職の留守に昼寝をせしは虚子」という高浜虚子の句碑があります。高浜虚子と関係があるのでしょうか。
それから鐘楼塔です。後ろは深山の雰囲気です。
最後に、妙見寺の本堂です。扁額は「妙見寺」です。
そして、住職にお願いして本堂の中のご本尊などを見せて戴きました。
ご本尊は、阿弥陀如来坐像で、三尊像で脇侍を従えております。制作年代は明確ではありませんが、色々変遷があったようで、江戸時代だそうです。他に観世音菩薩もあります。
ご朱印も戴きました。
次に、妙見宮の方に向かいます。山門から出て少し下ったところに第一の鳥居がありずっと参道が続きますが、寺院の途中から妙見宮への参道に入ることが出来ます。
さらに上ると二の鳥居に着きます。奥に階段が見えます。
狛犬が出迎え、まだまだ階段は続くようです。
そして、妙見宮にやっと着きました。
ここが妙見宮の境内です。右が手水舎です。
そして戻る途中に「稲城市百村の蛇より行事」なる東京都教育委員会掲示板があります。
掲示板は、「この行事は寛文二年(1662)の春、諸国に疫病が流行した折に始められ、一時中断したことはあったが、以来疫病防止、降雨、五穀豊穣を祈願するため毎年欠かさずに行われている。云々・・・・途中省略・・・本行事では素材が萱という異色の大蛇がつくられる。その長さは50メートル以上と巨大であり、その製作にあたって仏教儀礼が併行して行われるなど他には見られない特色を有している。希少的な価値を持つ極めて珍しい民俗行事の一つである。」とあり、東京都指定無形文化財に指定されております。
このような文化財が、毎年8月7日にやっていたとは、一度見たいものです。
それにしても発端は疫病で、いつの時代にも疫病に苦しめられた人類の歴史が、このような東京の片田舎に垣間見ることが出来ました。
そして一の鳥居に戻って参りました。
実際に神社仏閣を見るという事は大切な事と感じます。何かしら収穫があるものです。
この妙見寺は、多摩丘陵の端に位置し、稲城駅から歩いて数分と近いのですが、静かで緑に囲まれた所でウォーキングにもパワースポットとしても心地よい場所でした。有難うございました。
おわり