博物館学内実習(一)終わる!

 先日の日曜日に3回目の実習が終わり、博物館学内実習(一)が遂に終わりました。これで今年の奈良行きも終わりとなります。

 

 今回の奈良行きは、寒くなりましたが晴天に恵まれ2泊3日の快適な旅でした。特に実習前日に長谷寺に行ったのですが、本尊大観音尊像と本坊の特別拝観のときでした。やはり秋の季節が良いのですね。

 

 実習は、文献史料、仏像、掛軸と盛り沢山の内容で、あっと云う間に終了しました。

まず文献史料は、和本の作成と古文書の読み取りです。和本は、綴じしろを紐で結び作成するという実習でした。

 和本は、裏表紙という概念が無く、重ねて置くので探すのが大変なようです。現在では考えられませんが、和紙ですので薄く綴じ方も簡便です。本を作る歴史は、巻物から折本そして和本と欠点を補いながら良く考えられています。

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完成した和本

 古文書については、6点の古文書を読み取るものです。奈良大学の女性講師は、内容が分からなくても、外見、様式、印鑑などで読みとって下さいと言われるのですが、なかなかそうはいきません。

あの古文書のくずし字を読めないと分かりません。今までの古文書の不勉強さを恥じ入るばかりです。何とか先生に少し聞き出しましたが、レポートに纏めねばなりません。

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提示された古文書

 次は、仏像の講義でした。仏像の種類、時代に応じた制作の説明の後、仏像の寸法を測る実習です。

2人に一体、不動明王など様々な仏像が用意されております。わたしのところは、寄木造りの釈迦如来坐像でした。

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釈迦如来坐像

展示するとき、あるいは所蔵者に借りる場合などに、どこを計測するか必要となります。

 そして掛軸の講義です。掛軸についての説明の後、実際に掛け方、巻き方の実習がありました。これも2人に1幅用意されておりました。

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掛軸 「牡丹黄鳥之図」前川文嶺作 奈良大学所蔵


 今回も12名、皆熱心です。コロナ禍の中で受講者が少なく、そのため一人々実際に行うことが出来たので、良い経験となりました。また前後に奈良の寺院巡りも出来、受講して正解でした。

 博物館実習(一)はこれで終了ですが、今後合計7レポートを来月初めに出すことになります。今回の実習は、コロナ禍で行なったのは以外でしたが、スタッフのご苦労に感謝です。有難うございました。

 

追記 奈良大学博物館の前に「阿修羅像」があるのですね。気が付きませんでした。スクーリングの文化財修復学でお世話になった山崎隆之先生作の復元像です。

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阿修羅像 復元像

                           おわり