前回の続きですが、田園調布古墳群を見てから、多摩川駅の反対側に行くと、多摩川浅間(せんげん)神社があります。
実は、この神社の社殿は、前方後円墳「浅間神社古墳」の後円部上に建っています。今から八百年前の創建と伝えられ、現在大河ドラマで放映中の北条政子と頼朝が関係しています。
鎌倉時代文治年間、源頼朝の出陣の際、夫の身を案じた妻政子は、後を追ってここまで来て、夫の武運長久を祈り、身につけていた「正観世音像」を祀ったのが、この神社の始まりと伝えられています。
ご祭神は、山緑を守る神・大山祇神の姫君で木花咲耶姫(コノハナサクヤヒメ)命です。桜の如く華やかに咲いて、桜のように儚く散った日本神話で最も美しいと誉れ高い女神です。天照大神の孫瓊々杵尊(ニニギノミコト)の皇后となられた方で、家庭円満・安産・子安の神とされ、火難消除・安産等の守護神として崇敬されています。
「一の鳥居」です。奥に連続に鳥居が並ぶのが見えます。
一の鳥居からすぐに鳥居が続き、どんどん台地に上がると社務所です。そして拝殿へ行く前に鳥居があります。
左側に手水舎があり、その奥に見晴らし台が在ります。拝殿で参拝前に立ち寄りますが、見晴らし台からの眺望は絶好で、富士山が見えます。
見晴らし台からの眺望です。東急東横線の電車が見え、真ん中に富士山が見えます。
多摩川の先には武蔵小杉の高層ビル街が望めます。
多摩川には、野鳥もたくさん来ています。
そして、阿吽の狛犬を通り拝殿で参拝します。その左に御朱印などの授与所があります。
その他、境内には、末社である山岳信仰の三峯神社・小御嶽神社・阿夫利神社と食物・農耕の信仰の稲荷神社をお祀りしています。また、子産石、たけくらべなど石碑も多数あります。
この社殿の下に、浅間神社古墳に葬られた人が眠っています。浅間神社古墳が造られたのは、5世紀末から6世紀初で、神社の創建は12世紀のことです。まさか古墳であることは知らず、この眺望の良い武蔵野台地の河岸段丘上に神社を建てたのではないでしょうか。
浅間神社古墳は、多摩川を見下ろす舌状大地の先端に位置します。全長約60m、後円部径約32m、前方部幅約30mの前方後円墳で、横穴式石室は確認されていないので竪穴式構造とされています。
人物形埴輪、鹿形埴輪、馬形埴輪、円筒形埴輪が多摩川側斜面を中心に出土し、豊富な種類の形象埴輪を伴う埴輪列の存在が考えられます。
今回初めて、東京の古墳と関連する神社を伺いましたが、多摩川台地上にあり眺望も良いこともあって、このコロナ禍で気分よく時間を過ごすことが出来ました。
最後に多摩川浅間神社の御朱印です。またフクロウの小物を集めていますが、ここにありましたので買い求めました。
同上境内看板
大田区ホームページ
おわり