先日、わたしが住む稲城市の隣の街、調布市の神社、寺院を散策しました。京王線「調布駅」公園口から徒歩5分に「布多天(ふだてん)神社」があります。
調布市は、古代、高句麗などからの渡来人によって麻が栽培され、多摩川の水にさらして布を織り、調(税)として朝廷に出したことが地名の由来で、市の中央にある布田(布多)も調布と関係の深い地名です。
しかし、今や調布市は、やはり鬼太郎の街です。天神通り商店街を歩くと鬼太郎に会えます。
甲州街道を越えると直ぐに、布多天神社の社号碑と鳥居が見えて来ます。
参道に入ると高い木々に覆われ、暑い日にしては涼しく爽やかな気がします。
また、親子けやきがあります。看板によりますと、左から父、母、子みたいで「木に手を当て願い事を心中祈念し静かに廻って下さい」とのことです。
参道の左側に手水舎がありますが、最近のコロナ第7波の影響でしょうか、清める水も柄杓もありません。
狛犬も暑そうです。参道の一対の狛犬は、寛政8年(1796)に市の繁栄と商売繁盛を祈願して建立されました。調布市内ではもっとも古い狛犬です。
狛犬の先に御神牛(ごしんぎゅう)です。菅原道真公に纏わる伝説があるようですが、なかなか迫力ある「なで牛」です。
拝殿手前の参道は、工事中のようです。その先の入口は、簾のようなものがかかり、風鈴が多数並んで涼しげに演出されています。
扨て、拝殿です。布多天神社の創建の年代は定かではありません。延長5年(927年)に制定された「延喜式」にその名を連ねる多摩地方有数の古社で、社伝によれば第11代垂仁天皇の御代・約1940年前の創建と言われています。
文明九年(1477)に多摩川の洪水をさけ、古天神というところより現在地へ遷座され、その時に、御祭神、「少名毘古那神」に「菅原道真公」を配祀されました。
醍醐天皇の時代の延喜式が出てくるとは、本当に古い神社なのですね。
御祭神は、少名毘古那神 (すくなひこなのかみ)です。医療・健康・経営・造酒の守護神で、恵比寿様としても知られます。
また、菅原道真公 (すがわらのみちざねこう)は、学問・書道の守護神で、天神さまとして親しまれ、広く仰ぎ祀られています。
家紋は「梅鉢紋」で、屋根の飾り、拝殿幕そして賽銭箱にもあり、見事なものです。
拝殿の後ろに回ると奥が覆殿でしょうか。布多天神社のHPによりますと「本殿は、覆殿に囲まれ直接見ることはできません。」とありますので。
拝殿の手前、参道の右手に神楽殿があります。神楽殿では、毎月25日の月例祭に里神楽が奉納されます。
拝殿の右手に向かうと、境内末社が並び、直ぐ隣に稲荷神社があります。稲荷神社は、拝殿の手前の参道にもう一社あります。
御祭神:宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)
五穀豊穣、商売繁盛の守護神
次に、鳥居があり、そこをくぐると金刀比羅神社(ことひらじんじゃ)と大鳥神社の合祀している社があります。一対の狛犬がユーモラスな顔立ちをしていて面白い。
御祭神:
海上交通、船、交通安全の守護神
開運、商売繁盛の守護神
そして、石の祠が3つ並ぶ合殿があります。
火災、盗難除けの守護神
祓戸神社 御祭神:祓戸神(はらえどのかみ)
罪けがれ、災厄を除き清めてくださる神
疱瘡神社 御祭神: 疱瘡の神(ほうそうのかみ)
疫病を司り、疫病を鎮めてくださる神
疱瘡といえば天然痘のことで、聖武天皇の時代に大流行し、あの藤原4兄弟も全て亡くなったことを思い出しなす。
最後に御朱印です。
御朱印は、通常の御朱印と疫病鎮静祈願の「特別霊獣御朱印」があります。社務所で御朱印をお願いすると、お花の名前が書かれた札が渡されます。私が頂いたのは撫子の札でした。
布多天神社は近くにあり、いつも正月に行こうと思っていましたが、果たせず今回実現しました。この暑さの中でしたので、参拝者もまばらでした。ゆっくり参拝することが出来ましたが、特に、鳥居をくぐってから拝殿までの参道は、高い木に覆われ、暑さを感じさせない神域のようでした。
参考資料:布多天神社ホームページ、布多天神社境内説明板
おわり