先日の調布市散策の続きで、今回は、京王線調布駅から布多天神社の手前にある「大正寺」です。大正寺は、甲州街道に面して、十字路の角に寺号標があります。
開山は奈良時代と云われています。三栄山不動院寿福寺、紫雲山寶性寺、広福山常行院栄法寺の三寺を、大正四年に合併しました。開山時の年号に因んで、三栄山常行院大正寺として創設されたということです。
『調布百年史』によれば、栄法寺は、明治初年の神仏分離のときまで、布多天神社の別当寺でした。
また、このお寺は、多摩八十八ヶ所霊場5番札所、多摩川三十三観音霊場8番札所、そして調布七福神の恵比須神札所になっています。
甲州街道を渡ると直ぐに右手に山門があります。
山門前の左側、手水鉢の上に誕生釈迦仏が立っています。
誕生釈迦仏は、両手で天と地を指し「天上天下唯我独尊」と唱えたという、誕生時のエピソードに基づき作られた像です。7世紀の飛鳥時代に作られた誕生釈迦仏立像は、東京国立博物館に所蔵されています。
山門前の右側の掃出地蔵と勉強地蔵です。
山門の左右に阿吽の仁王像です。山門に入るときに竹の棒があり、これを外して入ります。
山門に入ると直ぐ左右に四天王像があります。
向かい側に、
山門から真っ直ぐ本堂まで参道が続き、本堂前に香炉があります。
扨て、本堂です。御本尊は大日如来像ですが、ご住職によると厨子に入っているので見ることが出来ません。本堂の扉を開けて内陣を見せて頂きました。煌びやかではありませんが、整然と落ち着いた感じの内陣でした。
そして、境内の中を見て回ります。境内には、石仏が多く目に付きます。こちらは、六地蔵を中心とした石仏群です。六地蔵の後ろの方は、地蔵菩薩でしょうか。他に如意輪観音みたいな石仏も見られます。他にも、境内のあちこちに石仏があります。
境内の中には、所々に山門のように竹の棒の仕切りがありますが、外して通ることができます。
そして、こちらの大正寺は、調布七福神の札所でもあります。看板に「恵比寿様は、御背を向いて・・・版木を叩いた上おまいりして下さい」とのことで、叩いてみると良い音がします。
境内は、清掃も行き届き美しい光景があります。石、池、竹林、苔そして石仏が見事マッチしています。
釈迦の涅槃像もありました。涅槃像は、釈迦が入滅する様子を仏像としてあらわしたものです。法隆寺の五重塔北面の「涅槃仏土」を思い出します。
こちらは、仏足石です。「釋迦如来雙跡霊相圖」と刻んでいます。釈迦の足跡を石に刻み信仰の対象としたものです。
苦行の釈迦像もあります。山帰釋尊(やまがえりしゃくそん)像で、釈迦の苦行生活を送っていたときのお姿です。
赤い鳥居と小さな祠です。何を祀っているのでしょうか。
三界萬霊塔(さんがいばんれいとう)です。これは、欲界、色界、無色界の三つの世界、すべての精霊に対して供養する目的で建立されたものです。
最後に御朱印です。
暑い日でしたので、拝観者は皆無でゆっくり参拝することが出来ました。境内は、塵一つなく清潔な感じで美しい光景があり、別世界のようでした。有難うございました。
おわり