杉並区の寺社散策が続きます。前回は、丸ノ内線「新高円寺駅」近くの「猿田彦神社」に参拝しましたが、今回は、「馬橋(まばし)稲荷神社」です。
猿田彦神社から真北へ数分の住宅街を歩くと突然立派な一の鳥居、社号碑が現れます。
鳥居の左に御由緒書き、右に社号碑です。
御由緒書き。
御由緒
創建の年代は不詳ながら、鎌倉時代の末期の創建と伝えています。
天保2年(1831)、氏子が京都白川神祇伯家御役所に上申し、正式に「正一位足穂稲荷(たるほいなり)大明神」の御神号を拝受したということです。
明治40年、本殿改築後、村内の御嶽神社、白山神社、天神社、水神社を相殿として合祀します。
昭和40年住居標示の改正に伴い、馬橋の地名を保つため神社名を「馬橋稲荷神社」と改めました。
主 神
宇迦之魂神(うかのみたまのかみ)(稲荷神社)
相 殿
伊弉册神 (いざなみのかみ)(白山神社)
美都波能賣神(みずはのめのかみ)(水神社)
菅原道真朝臣(すがわらみちざねあそん)(天神社)
末 社
美都波能賣神(みずはのめのかみ)(水神社)
市杵島姫神 (いつきしまひめのかみ)
社号碑。
神社名に馬橋の名称を冠し、正式に馬橋稲荷神社となった記念に建立された社号碑です。
一の鳥居
木製で上の部分の笠木が反り、その下に台輪がついた明神鳥居系の「台輪鳥居」です。現在では珍しい大鳥居です。
双龍鳥居
参道を進むと二の鳥居は、「双龍鳥居」です。
昇龍と降龍が鳥居の左右の柱に巻き付くように彫刻されており、大変に見事な造形です。龍の巻いた鳥居は珍しく、「品川神社」「高円寺内稲荷社」と合わせて東京3鳥居と呼ばれています。
左側の昇龍。
右側の降龍。
続く参道
美しく整備された長い参道が続きます。
三の鳥居です。平成御大典を記念して建立されました。御影石作りの台輪鳥居です。
両脇の狛狐さん、玉持ちと子持ちです。
参道の左手に手水舎です。龍神、伊予の青石、苔などを組み合わせた見たこともない手水舎です。
随神門
随神門です。昭和50年、創建700年を記念して建立されました。奥に拝殿が見えます。
右大臣、左大臣と呼ばれる
「豊磐間戸命(とよいわまとのかみ)」
「櫛磐間戸命(くしいわまどのかみ)」という
戸守りの神像を祀っています。
随神門の天井には都内最大の「開運鈴」が吊るされています。この鈴の真下を通ると幸運がやって来るとのことです。
社殿
随神門を通ると朱色の鳥居に囲まれた社殿が現われます。
社殿の前の鳥居は、「三ツ鳥居」で、明神鳥居の両脇に、小さな二つの鳥居があります。
そして、拝殿です。昭和13年建立、総檜造の銅板葺き流れ造りです。
拝殿の前の阿吽の神狐像です。
「願かけ狐」が、神狐像の周りにたくさん奉納されています。
社殿の左側に恩頼(みたまのふゆ)の勾玉があります。神様のチカラを頂く御神霊(おみたま)石です。
社殿の左手の「神楽殿(舞殿)」です。
社殿の左側に、境内社が並んでいます。拝殿左奥に「厳島神社」と「水神社」の合祀殿があります。
合祀殿の左手には斎霊殿です。戦没者と神社物故者等の霊をお祀りしています。
小さな稲荷社や祠も多数祀られています。近隣の庭に祀られていたものを、この神社でお祀りしているようです。
東西南北の鳥居
表参道の鳥居は南ですが、社殿の左手裏に続く参道には、北参道鳥居があります。
東参道にも鳥居があります。ここは龍の手水舎もありました。
そして、西側の鳥居です。東西南北全てから境内に入ることが出来ます。
最後に御朱印です。随神門の右側に社務所があり、御朱印を頂きました。
可愛らしい子狐の置物も頂きました。
おわりに
都区内で印象的な神社が幾つかありますが、この馬橋稲荷神社もその一つとなりました。神社の規模はそれ程大きくは無いのですが、拝殿への参拝に行く前から、双龍鳥居、随神門の開運鈴、龍神の手水舎、三ツ鳥居の社殿など見所満載でした。
長い参道に「桃園川の流れに思いを馳せて」と、かつての清く澄んでいた桃園川を再現し、小さなせせらぎを作っていました。
このことからも地域に親しまれる鎮守なのが伝わってきます。
綺麗に整備された長い参道、境内全体が落ち着いた雰囲気で清々しい空気感が溢れていた印象に残る神社でした。
杉並区の寺社散策、これからJR高円寺駅の方へ東上し「高円寺氷川神社」そして同じく双龍鳥居のある「高円寺」へと続きます。
以上