東京都品川区の寺社巡りが更に続きます。今回は品川神社、荏原神社を参拝した後、目黒川の鎮守橋を渡ります。旧東海道を北に数分行ったところにある「品川寺」です。京急線「青物横丁駅」から直ぐの所にあります。尚、品川寺の読み方は「しながわでら」ではなく「ほんせんじ」です。

品川寺(ほんせんじ)
山号: 海照山
院号: 普門院
寺号: 品川寺
宗派: 真言宗醍醐派
本尊: 水月観音、聖観音
創建:大同年間(806~810)
開基:空海
品川寺の縁起
品川寺(ほんせんじ)は、平安時代前期の大同年間(806〜810年)に開創されたと伝わり、品川区で最も古い寺の一つとして知られます。寺伝によると、開基は弘法大師空海とされ、旧東海道に面する立地から、旅人や地域の信仰を集めてきました。
長禄元年(1457)、江戸城を築いた太田道灌により伽藍が建立され、寺号を金華山大円寺と称しました。その後戦乱により荒廃しますが、承応元年(1652)に弘尊上人により再興され、現在の寺号となりました。
文化財は国指定重要美術品の「大梵鐘」を始め、江戸六地蔵のひとつ「地蔵菩薩像」や現在東京国立博物館に依頼保管中の「絹本着色仏曼茶羅図」(国指定重要文化財)など多数あります。
山門から境内へ
「旧東海道」を行きますが、「東海道品川宿」の看板のある通りです。

品川寺近くに来ると「しながわ百景」の案内があり、品川寺の江戸六地蔵、梵鐘の名前が掲げられています。

品川寺の山門が見える所にやって来ました。左が江戸六地蔵の一つ「銅造地蔵菩薩坐像」です。

品川寺の地蔵菩薩坐像です。


説明書きです。江戸六地蔵とは、江戸に通じる六つの街道の入口に建てられた大型の銅造地蔵菩薩坐像の総称です。宝永〜享保年間(18世紀前半)に造立されました。

わたしは江戸六地蔵のうち過去に新宿区の「太宗寺」の地蔵尊を拝見しています。傘をかぶっているので顔が明瞭です。

山門に向かいますが、山門前の右側に宝篋印塔があります。亀が支えているのが面白い構図です。


山門を一礼して潜ります。


山門を潜ると左側に鐘楼、右に向けて本堂、薬師堂などがあり意外に広い印象です。

鐘楼
境内の左側に鐘楼です。この大梵鐘は、徳川幕府第四代将軍家綱公の命によって鋳造されたものですが、長年にわたり行方不明となっていました。奇跡的にスイスのジュネーブのアリアナ美術館に所蔵されていることを発見し交渉を重ね、1930年品川寺に返還されました。


鐘楼の周りに指定文化財の七福神が鎮座しています。
恵比寿天、布袋尊


大黒天、寿老人


福禄寿、毘沙門天


弁財天

そして本堂に向かいます。
本堂
鮮やかな朱色の扉や柱、青い屋根の本堂など少し一般の寺院と雰囲気が違うように感じます。

扉の左側に「まことの鐘」です。英文も刻まれているようです。

堂内を拝観することが出来ます。


内陣の中央に本尊の「聖観音菩薩像」、右側に「毘沙門天像」(江戸期作)、左側に「弘法大師坐像」です。「水月観音」は秘仏で聖観音菩薩像の後ろの厨子の中に安置されていると思われます。

本尊の聖観音菩薩像。

五鈷杵を持ったお大師様

その他堂内周囲に仏画、曼荼羅、地蔵菩薩像などがあります。



本堂の瓦に「丸に桔梗」の寺紋が見えます。

弁天堂
本堂の左側に建つのは弁天堂です。堂内には八臂の弁財天が祀られています。



よく拝見する弁財天は、琵琶を持って優雅な雰囲気ですが、武器を持つ八臂の弁財天を初めて拝見しました。これが宇賀神と集合した弁財天でしょうか。
この並びに修行大師像、神変大菩薩(役の行者)の仏像です。
修行大師像

神変大菩薩(役の行者)


薬師堂
境内の右側にある薬師堂です。堂内には薬師如来像などの仏像が安置されており、寺務所もあり御朱印を頂けます。
堂内の仏像の全体景観です。薬師三尊像と十二神将です。

中央にある寺宝の薬師三尊像(薬師如来坐像と脇侍の日光、月光菩薩立像)です。(江戸中期作)

中央の薬師如来坐像です。

そして、その左右に十二神将です。この十二神将は、薬師如来を守護する眷属で、後世には十二支と結び付けられ、それぞれの干支の守護神としても信仰されるようになりました。


薬師堂の右側に「庚申塔」や「イチョウの木」があります。

庚申塔
右側の大きな石碑の下に三猿と鶏の書かれた庚申塔です。あまり見たことはありません。


大イチョウ
推定樹齢600年、幹周り5.35m、樹高25mという大イチョウです。


御朱印
最後に御朱印です。薬師堂の寺務所にて頂きました。


そして、午、毘沙門天の陶器も頂きました。


おわりに
品川寺と書いて「ほんせんじ」と読む、そう云われると「しながわでら」よりなかなか読み易い名称です。京急青物横丁駅からほど近く、品川の街の中にあるお寺ですが、旧東海道沿いにあり古くから人の往来を見守ってきた場所らしい落ち着きがありました。
先ず目に入ったのは、山門の近くに立つ大きな江戸六地蔵の第一番地蔵尊です。江戸時代、この東海道を行き交った多くの人々も、このお地蔵様を仰ぎ見ながら旅の安全や家族の無事を願ったのだろうかと考えてしまいます。
境内に入ると、品川寺の歴史を物語る大梵鐘があります。この梵鐘には、パリ万博に出品から品川寺に返還されるまで多くの波瀾に富んだ物語があったようです。一つの鐘が、江戸から幕末、そして昭和の初めへと時代を越えて旅をして来たことを思うと、不思議な感じです。
本堂では、様々な仏様が安置されていました。少し薄暗いので見過ごすところですが、本尊の聖観音菩薩像、毘沙門天像そして五鈷杵を持った大師さまと拝観出来て良かったです。残念ながら弘法大師空海ゆかりの「水月観音」は厨子の中らしく伝説のこの秘仏を観たいものです。
そして薬師堂です。ここは寺務所を兼ねているみたいですが、薬師堂の正面に「ご朱印所」の看板があったので気軽に御朱印を頂きに入りました。しかし、ここに薬師三尊像そして十二神将が勢揃いしているとは思いもしなかったです。十二神将まで干支、名前が書かれていて分かり易く有難かったです。
品川寺は、都会の中にありながら、樹齢約600年とされるイチョウなど、仏像だけでなく文化財や自然そのものからも長い年月を感じることができました。江戸時代の歴史と人々の祈り、そして多くの仏様に出会えるお寺で、まだ見過ごしているものも多くもう一度再来したいお寺となりました。有難うございました。
以上




































































































































































































































































































