前回まで「中目黒駅」近辺の散策でした。今回も同じ目黒区ですが、中目黒駅から北東方向の「目黒不動尊」を中心に巡りました。東急目黒線の「不動前駅」から先ず天台宗寺院「安養院」へ向かいます。

安養院(あんよういん)
院号:安養院
宗派:天台宗
創建:平安時代初期
開山:慈覚大師円仁
中興年:寛永元年(1624)
中興:唱岳長音
安養院の縁起
臥龍山安養院は、平安時代に天台宗第三世慈覚大師によって開かれた由緒ある寺院です。中興開山は唱岳長音木喰上人です。
寛永元年(1624)に再建され、金色八尺の寝釈迦様 (涅槃像)を安置供養されました。その像を御本尊としたことで、「寝釈迦寺」と呼ばれ、江戸の昔より長寿とぽっくり信仰で賑わっています。
当山の檀祖は義士で有名な赤穂浅野公の本家、芸州藩主浅野綱晟(つなあきら)公の室で八代姫です。出家して当山に止まり、安祥として極楽に往生されました。暫くして、中国の帰化僧獨湛(どくたん)が当山に逗留し、宝永2年現在の山門に掲げられた「安養院」の扁額を製作しました。
(安養院公式サイトより抜粋)
参道入口ですが、山門が見えます。実はここの門は山門ではなかったのです。手前に狛犬みたいな巨大な石像、中国獅子が相当な迫力で左右に置かれています。初めて見ましたが、宝獅と呼ばれる中国の屋敷の守護神らしいです。



門の近くの左右に無縫塔(むほうとう)が多数置かれています。主に僧侶の墓塔として使われる石塔で、塔身が卵形という特徴があります。


ひなびた門の感じで風情があります。

山門
気を取り直して山門の方の参道に向かいます。

この参道の両側にはたくさんの石像、石仏が鎮座しています。




山門前にある「安養院地蔵群」と刻まれた石碑です。

やっと山門に辿り着きます。

山門前の左脇に、なかなか迫力がある不動明王の石像、その足元に石仏たちが構えています。


山門です。山門前は目黒区、山門を潜ると品川区です。



山門を潜って直ぐ左脇にも石仏、石像が。


山門を潜って右脇にも石仏群。この寺院は本当に石仏、石像が多いです。



境内の右側に観音堂があります。


観音堂の直ぐ前にも大黒天の石像。

観音堂の内部です。上段中央に如意輪観音、右に大黒天、左に寿老人。

下段の中央に赤い前掛けをつけているのは何でしょう。足の位置が如意輪観音とは逆ですが、角が生えているので元三大師の「角大師」のようです。どうでしょうか。


この観音堂の傍に品川区指定有形文化財に指定された「安養院石造念仏供養塔」があります。

品川区教育委員会の説明書きによりますと、
「塔は、高さが3.6mに及ぶ大型のもので、笠塔婆型の姿をしている。正面に大きく「南無阿弥陀佛」と刻み背面に「三界万霊万日廻向 延宝三乙卯年十月十五日 願主木食唱鉄空誉敬白」とあり、左側面には「光明遍照十方世界 念佛衆生摂取不捨」という観無量寿経の偈(げ)の文字と、その中間に庚申講中の刻字がある。これらのことから、この塔は、延宝三年(1675)に木食唱鉄(きじきしょうてつ)の発願で、庚申講中の人々が、僧侶の指導のもとに造立した珍しい念仏供養塔であることがわかる。」とのことです。
その左には宝篋印塔です。梵字は不動明王だと思ったのですが、烏枢沙摩明王あるいは降三世明王のような文字です。

本堂
いよいよ本堂の方へ向かいます。本堂前のケヤキの木でしょうか、年代を感じさせます。

左側に寺院には異質なのですが、「雨の慕情」を歌う姿を模した故八代亜紀さんの銅像があります。安養院は八代さんの菩提寺で、両親と一緒に遺骨が眠るそうです。

近代的な本堂です。フロントの方に本堂のお参りをしたいと申し出るともう少しで法要が始まるので、今のうちにと許可を頂きます。

本堂は5階です。5階へ行くと涅槃のお釈迦さまがいらっしゃいます。撮影禁止というので、安養院の公式サイトより写真を拝借します。

御本尊、金色八尺の寝釈迦様(涅槃像)です。
そして、別の部屋に「広隆寺」の弥勒菩薩を模して造った半跏思惟像が鎮座しています。

模して造ったとはいえ見事な出来です。広隆寺の弥勒菩薩は、宝冠弥勒像と呼ばれ、中宮寺の弥勒菩薩像と共に大型の半跏思惟像として有名です。
序(つい)でに、広隆寺の宝冠弥勒像です。実際に京都の太秦の広隆寺を10年以上前に拝観しました。


また、この建物の地下1階にあると思うのですが、「安養院寺宝堂」があり北インド、チベット仏教美術展が行われています。

せっかくなので拝観しようと思いましたが、予約制で事前予約が必要だそうです。
最後に御朱印です。1階の受付で頂きました。
御本尊の寝釈迦さま。

半跏思惟の弥勒菩薩。

散華も頂きました。

おわりに
目黒区、品川区に跨(またが)る安養院は、慈覚大師円仁が開山の天台宗寺院です。本堂の金色八尺の寝釈迦様そして弥勒菩薩像、観音堂の如意輪観音など仏像に関心あるわたしにとって興味深い寺院でした。
更に参道、境内の至る所に鎮座する石像、石碑、石仏たち、一体何体あるのでしょうか。どうしてこの寺院に集まったか、製作年代など説明書きがあると有難いと思い、野ざらしなので今後の管理などが大変だろうと感じます。
また今回は、拝観出来なかった「北インド・チベット仏教美術館」には是非行ってみたい。ヒンドゥー教のガネーシャ像、曼荼羅、インドの石窟の秘宝など興味深いものが多数あるようです。
そんな事を思いつつ安養院を後にします。



目黒区の散策は続きますが、目黒不動尊への途中に「蛸薬師」なるユニークな名前の寺院がありますのでそちらに向かい、目的の「目黒不動尊」そして「大鳥神社」など巡ります。
以上