東京都新宿区「大黒天」を祀る日蓮宗寺院「経王寺」

 今回の都区内の寺社散策は、新宿区の日蓮宗の寺院、経王寺(きょうおうじ)です。この寺院は、新宿山之手七福神の大黒天で有名です。地下鉄大江戸線の「牛込柳町」駅から直ぐの所にあります。この界隈には大きくはありませんが、寺院が数多くあります。

 

 経王寺(きょうおうじ)

 山号:大乗山

 寺号:経王寺

 宗派:日蓮宗

 創建年:1598年

 開山:尊重院日静(そんじゅういんにちじょう)上人

 札所等:新宿山之手七福神 大黒天

 

経王寺の縁起

 大乗山経王寺は、尊重院日静上人が慶長3年(1598)武蔵国豊島郡市ヶ谷田町に、大黒天像を身延山久遠寺から移して創建したといいます。

 明暦の大火(1657)後の復興に伴う江戸拡張のため、寛文8年(1668)に市ヶ谷川田久保町に移転します。享保10年(1725)火災が類焼し堂宇を焼失しますが、享保14年(1729)までに堂宇が再建されます。

 その後天保の改革による廃寺、明治新政府神仏分離令などを乗り越え、経王寺は歴代住職と壇徒家の尽力によって、大正・昭和の時代を経て、現在も歴史を刻んでいます。

(経王寺公式サイトより抜粋)

 

本堂

 石段を上がると本堂です。石段の前に大黒天の石碑と2匹の梟みたいな地蔵さん。

 

境内は、都心なので広くなく直ぐに本堂です。

 

本堂内は、撮影禁止ですが開放されており、福寿地蔵がお出迎えです。

 

内陣です。

 

寺紋は、井桁に橘の「日蓮宗橘」紋です。

 

 本堂内の片隅に、図書館があります。本堂の入口に看板がありました。若い僧侶が整理中でしたが、珍しいことです

 

 本堂前の「水子慈母観音像」です。

 

大黒堂

 七福神の一つ、大黒天を祀る大黒堂です。左が授与所になっており、御朱印もこちらから頂けます。

 

 経王寺の大黒天像は、室町時代の日法上人の作で、慶長3年(1598)の甲斐国身延山より移されたと伝えられます。高さ12cmの木造立像で大黒頭巾をかぶり、小槌と大袋を持ち台座にのる通規の様式ですが、江戸時代のものと異なり微笑面ではなく厳しい表情をしています。度重なる火災にも焼け残ったことから「火防せ大黒」として崇敬されています。(新宿区指定有形文化財

(パンフレットより)

 

「火防せ大黒天」の打出小槌です。願いを心に思いながら三回振ると大願成就。

 

境内

 境内にも大黒様がいらっしゃいます。「えんまん大黒」様です。

 

他にも2体の大黒様。




 

お地蔵さんもあちこちに顔を出します。

 

御朱印

 最後に御朱印です。日蓮宗では「御朱印」ではなく「御首題」と呼ぶのが一般的のようです。

 

おわりに

 経王寺は、新宿の寺社散策をしているうち、わたしにとって最後の新宿七福神の参拝となりました。以下の他の6寺社と比べて、何か明るく元気な感じがする寺院でした。

 経王寺では、年6回の甲子(きのえねの日に「開運火防大黒天」を特別に御開帳し、法要を営むようです。今年は、12月26日が最後のようなので参拝したいものです。

参考:新宿山之手七福神

①太宗寺「布袋尊」 ②稲荷鬼王神社「恵比寿神

⓷永福寿「福禄寿」 ④厳嶋神社「弁財天」

⑤法善寺「寿老人」 ⑥善國寺「毘沙門天

⑦経王寺「大黒天」

                       以上