東京都中野区 真言宗豊山派「禅定院」自然と宗教の調和

 中野区の西武新宿線沿線、沼袋駅近辺の散策が続きます。

この辺は、寺社が多数あります。今回は、真言宗豊山派の寺院「禅定院(ぜんじょういん)」です。

院号(寺院名):禅定院(ぜんじょういん)

山号:瑠璃光山

・寺号:薬王寺

・宗派:真言宗豊山派

・札所;御府内八十八ヵ所霊場 第四十八番
    豊島八十八ヵ所霊場 第四十八番

 

禅定院の縁起

 禅定院は、南北朝時代の中期、貞治元年(1362)法印恵尊が開基となり創建したと伝えられる寺院です。旧上沼袋村の伊藤家とその一族の菩提寺としての特色を持っていたことから、「伊藤寺」とも呼ばれていました。

 

山門

 戦災を唯一逃れた山門(大正期)、右側に寺号標です。

 

扁額の文字は、「瑠璃光山」。

 

山門より入ると、右側に石像、石碑が並んでいます。

 

山門の直ぐ右手に「六地蔵」。

 

イチョウの木

六地蔵の隣が、存在感のある樹齢600年とされる大イチョウの木です。

 

 その隣に、石碑、石塔が並んでいます。

 

その中に3猿の庚申塔地蔵尊像があります。

 

本堂

 そして、本堂です。扁額が梵字で書かれていますが、初めて見ました。どういう意味か詳しく聞いてみたいですが。

寺紋の「庵に木瓜(いおりにもっこう)紋」が本堂の扉に付いています。

 

 本堂内陣です。御本尊は、不動明王です。暗くてよく見えませんが。上部中央に真言宗豊山派の「輪違い紋」が見えます。両脇に弘法大師の坐像です。

 

御本尊の不動明王立像(南北朝期の作)です。

(禅定院公式サイトより)

 

薬師如来坐像」も内陣脇に安置しているようですが、気が付きませんでした。両脇侍の月光、日光菩薩も坐像です。

(禅定院公式サイトより)

 草創期の御本尊は、薬師瑠璃光如来であり、山号と寺号はこのことに由来しています。現在の御本尊は、鎌倉時代後期の作とされる不動明王立像です。

(禅定院公式サイトより)

 

 本堂前に、弘法大師1150年御遠忌を記念して制作された「弘法大師像」です。

 

弁天堂と蓮池

 境内に「弁天堂」があります。堂内には弁財天、大黒天、毘沙門天を安置されています。

 

 また、境内には「蓮池」があります。

その周りは、春になると牡丹の花が綺麗に咲くようで、牡丹の名所といわれています。

 

 他に水路もあり、錦鯉が華麗に泳いでいました。

 

 尚、「百観音明治寺」に近い西側にも門があります。こちらの扁額の文字は「禅定院」です。

 

御朱印

 最後に御朱印です。寺務所より、「本日は御参拝いただきありがとうございます」、との説明書きと共に頂きました。

おわりに

 境内は、それ程広くはないのですが、蓮池、水路に錦鯉が泳ぐなど、自然豊かな感じのする寺院でした。またシンボルの大イチョウの木、本堂の扁額が梵字などユニークな面もある寺院で、春の牡丹の季節に、自然と宗教が調和されたような独特な魅力のあるこの寺院にまた来ようと思っています。

                     以上