今回も新宿区ですが、大都会新宿の歓楽街である歌舞伎町に近い「花園神社」です。丁度お祭りのときでしたので、大変な賑わいでした。参拝後、喧騒を逃れて花園神社の直ぐ北にある「稲荷鬼王神社」にも参拝しました。
御由緒
花園神社は、徳川家康の江戸開府(1603)以前から新宿を守る総鎮守として存在していました。徳川氏が武蔵国に入った1590年より前に、大和吉野山より勧請されたとも云われています。
現在の場所は、徳川御三家筆頭の尾張藩下屋敷の庭の一部で、たくさんの花が咲き乱れていたそうです。この美しい花園の跡に移転したので、花園稲荷神社と呼ばれたのが社名の由来とされています。
ご祭神は、倉稲魂命(うかのみたまのみこと)、
受持神(うけもちのかみ)の三柱です。
東京メトロの「新宿三丁目駅」から程なく靖国通り沿いに鳥居が見えます。写真左下です。
境内へ
靖国通り沿いの鳥居です。
新宿区有形文化財の「唐獅子」が出迎えます。
文政4年(1821)に名工村田整珉により鋳造された銅の唐獅子です。迫力あります。
次の朱色の鳥居をくぐります。両側に露店が並び多くの参拝人が列をなし、大変な混みようです。さすが新宿です。
実はこちらの参道は、正面ではなく、明治通り側に正面の参道があるようです。
拝殿参拝
まず参拝するため拝殿に向かいますが、人でなかなか進みません。拝殿も参拝者が結構並んでいます。
社殿は、幾度も大きな火災に見舞われ、その度に再建してきました。現在の社殿は、昭和40年に赤と白を基調とした鉄筋コンクリート造りに再建されました。
扁額には3つの神社の名前が掲げられていました。
花園神社---倉稲魂命
雷電神社---受持神
の3柱の神を祀っています。
天水桶にも三つの神紋が並びます。
神紋は、「M結び折葉抱稲」、「左三つ巴」、「鶴の丸」です。
また、社殿の脇に、以前使ったのでしょうか、古い手水鉢がありました。
煌びやかな宝物殿
拝殿の前の左側に「宝物殿」がありますが、何やら参拝人などが宝物殿の中を覗き込んでいます。
普段は閉まっていると思いますが、本日はお祭りで開いているようです。中を覗くと神輿やお祝い品が見えました。
また、多数の神輿が、出番を待っているのか、宝物殿の前のスペースに置いてあります。どれも煌びやかな神輿です。
納め大明神
境内は混みあっていますが、人を避けながら境内を見回ります。拝殿と向かい合う形で、お札の納め所があります。古くなった神札及び神符を納める場所のようです。
神楽殿
立派な神楽殿もあります。能楽の舞台のようで、酉の市などにお神楽やお囃子が披露されます。
正面入口の大鳥居
拝殿の正面を真っ直ぐ歩くと明治通りからの入口の朱色の大鳥居があります。平成8年に建てられ、この鳥居が境内の正面入り口になります。ここも両側の露店で賑わっています。
社号標です。
大鳥居の左側によく知られた「芸能浅間神社」が合祀されています。
御祭神は、木花之佐久夜毘売(コノハナノサクヤヒメ)です。江戸の昔から芝居や舞踊の興行に縁が深かったため、演劇や歌曲など芸能関係の奉納が多いことで有名です。
浅間神社の井戸もありました。戦前に、花園神社にも井戸があったようですが、テレビの企画で約70年ぶりに浅間神社境内内に再興されました。
宇多田ヒカルの母の藤圭子の歌碑(圭子の夢は夜ひらく)も、このお社の隣に建っています。
そして、芸能浅間神社の隣に、二宮金次郎の像もあります。区内では希少となった戦前の修身教育の名残をとどめる文化資源です。
御朱印を頂きに、拝殿の右側にある社務所に向かいます。少し混んでいましたが難なく直に書いて頂きました。
授与所です。
御朱印です。
また、生姜の紅茶も頂きました。神社とジンジャーをかけているのでしょうか。
お狐さんの陶器も買い求めました。
次に、「稲荷鬼王神社」にも行こうと思いGoogle Mapsで検索すると花園神社にもう一つ入口があるようです。拝殿左側の奥に、ゴールデン街の方の入り口がありました。
鳥居もありますが、ここは、靖国通り、明治通りの入口とは別世界のように静かで閑散としていました。
鳥居です。
狛犬は、しっかりと役目を果たしています。
それでは次に「稲荷鬼王神社」に向かいます。
所感
今回の花園神社は、毎年の暮れにテレビで、「酉の市」の「縁起熊手」を売る露店が紹介される神社です。馴染みのある所でしたが、実際に参拝したのは初めてでした。
江戸時代に現在の場所を拝領されたとき、よもやこの様な繁華街のど真ん中になるとは、想像だにしなかったことでしょう。
丁度、祭りの時で、コロナ明けで何年振りでしょうか。半被を着た人、場所柄外人の方も多く、皆さん生き生きとしていたと感じられます。本当に江戸っ子は、祭りが好きなのだと思う今回の参拝でした。
人が多くゆっくり見ることが出来ず、見落とした所もあると思いますので、また機会をみて来ようと思います。
参考:花園神社公式サイト
境内説明掲示板
おわり