目黒区の散策の続きで、祐天寺を拝観した後、10分位北へ歩くと、上目黒の烏森稲荷神社(からすもりいなりじんじゃ)に着きます。Google mapsを頼りに行くと、近い入口は、正面の鳥居ではなく、北の高台の方の入口です。稲荷神社らしく朱色の幟がはためく急な石段を下ります。
やがて、同じく朱色の鳥居が見えてきて、境内へと進みます。
下って来た石段を、境内から撮った所です。
拝殿に近い境内から1度、参道を下って正面の鳥居まで行きます。鳥居を通り過ぎて、神社を撮りますが、大木の枝が生い茂り拝殿まで見えません。
尚も行くと、正面の鳥居が見えて来ました。
鳥居の前の社号標です。
大正12年(1923)奉納の鳥居です。
狐の手水舎
参道正面の石段を上ると拝殿ですが、その石段の途中の左手に手水舎があります。
何の変哲もない手水舎と思ったのですが、吐水口が変わっていました。龍の口から水が出るのが多いですが、何と稲荷信仰の神の使い、狐さんの口から水が出ています。初めて見ました。
社殿
石段を上った先に拝殿があります。
拝殿前の阿吽の神狐像です。滑らかな曲線の良い出来の像です。右の阿の神狐像が小狐を抱え、左の吽は宝珠を抱えています。
拝殿の正面です。龍の彫刻も見事です。
拝殿の内部です。神紋は、左三つ巴と稲紋です。
御由緒
創立年月は不明ですが、下馬引沢村(現在の世田谷区)の「寿福寺」の境内に祀ってあった稲荷神をこの地に遷座させたと伝えられています。
伝説では、目黒の稲荷講の人たちが新橋の烏森稲荷へ参拝した帰り道、白い狐が馬に乗って付いてきたことから、この地に稲荷神社を祀ったといいます。
また、一説では、新橋の烏森稲荷が分かれたとも伝えられています。
御祭神
倉稲魂命(うかのみたまのみこと):食物、殊に稲をつかさどる神です。
拝殿の前に、3匹の可愛い兎さんの大きな絵馬がありました。今年の卯年も、後2ヶ月となります。
「月詣り」の看板もあります。毎月、神社にお詣りして神気をいただき、気分を一新して日々を過ごしましょう、ということです。
境内の社務所の手前に、立派な御神木のイチョウの木があります。これにも朱色の鳥居です。
境内社が手水舎の左奥にあります。こちらも朱色の鳥居で稲荷社と思われます。
所感
目黒の住宅街に忽然と緑の一角が現われます。こぢんまりとした神社ですが、大きな木が多く静かな雰囲気が、とても心地良い感じです。
目黒区の「烏森」という地名の起こりは、数百年前から宿山の氏神として祀られてきた烏森稲荷神社だと云われています。
大正11年の町制を経て、昭和7年に目黒区が誕生し、今日「烏森」の地名は消え去っています。しかし、小学校や幼稚園、住区の名称として、人々に親しまれているようで、その名はいつまでも受け継がれていくことと思います。
参考資料:目黒区ホームページ
境内掲示板
おわり