今回も渋谷区の散策が続きます。渋谷駅近くの「金王八幡宮」、「豊栄稲荷神社」を見て来ましたが、そこから数分南東に行くと「渋谷氷川神社」があります。
東側は、國學院大學キャンパスです。ここも都心の渋谷にありながら緑豊かな貴重な鎮守の森です。
御由緒
正確な創建時期は不明ですが、江戸七氷川の一つで、渋谷区最古の神社とされています。創始は、慶長十年に記された「氷川大明神豊泉寺縁起」によると景行天皇の御代の皇子日本武尊東征の時、当地に素盞鳴尊を勧請したとあります。
境内には江戸郊外三大相撲の一つ金王相撲の相撲場の跡があります。(東京都神社庁より)
御祭神:素盞鳴尊(すさのおのみこと)
稲田姫命(くしなだひめのみこと)
御利益:恋愛成就、縁結び、出世開運、厄除
社号碑は、正式名称の単に氷川神社です。他と区別するため「渋谷氷川神社」と呼ばれています。
一之鳥居から二之鳥居へ
一之鳥居です。扁額はよく読めませんが氷川神社のようです。
参道の石段が続きます。
石段の先に、更に石段があり、二之鳥居です。
二之鳥居の前に、阿吽の狛犬です。昭和15年(1940)に奉納されています。
氷川神社金王相撲跡
石段の途中ですが、右側に「氷川の杜公園」という看板があり、傍に「氷川神社金王相撲跡」という教育委員会の説明掲示板があります。
参道の途中から右側に下って行くと、相撲の土俵があります。
渋谷氷川神社の「金王相撲」は、大井鹿島神社、世田谷八幡宮とともに「江戸郊外三大相撲」と呼ばれて有名でした。ここは児童公園になっていて、その一画に相撲場跡として土俵が存在しています。
金王相撲の名称は、金王八幡宮に祀られている「渋谷金王丸常光」に因んだものと思われます。
参道に戻って、社殿の方へ行きます。参道の左側にある手水舎です。ここで心身を清めて社殿に向かいます。
ダークブラウンの重厚感のある社殿です。昭和13年(1938)に改築、1945年の戦禍を免れ、その後の改修を経て、現在の姿を維持しています。
拝殿正面です。扁額の文字は、氷川神社、社紋は左三つ巴。
社殿全体景観です。青空と高層ビルに映えています。
社殿前の左側の神楽殿です。
社殿の右側に「本殿御敷地舊趾」の石碑と境内社があります。
「本殿御敷地舊(きゅう)趾」の石碑で、かつてこの位置に社殿が置かれていたようです。
前に一部破損していますが向き合った姿が面白い狛犬がいます。
百度石。
八幡神社です。前に同じく狛犬がいますが、右側の狛犬は破損しています。
手水舎の近くに、稲荷神社と厳島神社があります。
稲荷神社です。
その前には神狐像が左右に3基ずつ、様々な表情をしています。
この稲荷社の前に、小さくて可愛らしい狛犬もいます。額のひび割れ何とか修復して欲しいものです。
その左手には、厳島神社です。
祠の左右にそれぞれ阿吽の狛犬、4基が置かれています。
特に、この阿の狛犬の顔の表情、すっきりとした足、苔むした姿が素晴らしく感じます。
渋谷氷川神社の北側にも参道があります。
鳥居です。扁額は氷川神社。
手前に、しっかりした造りの阿吽の狛犬。
最後に御朱印ですが、社務所にて頂きました。御朱印は、高齢の女性が丁寧に書いて下さいました。イチョウ、椿、左三つ巴もバランスがとれています。
所感
渋谷氷川神社は、都心の渋谷にありながら別世界なような光景がそこにはありました。境内は、緑豊かで静かですが、犬を連れて散歩する人、参道を通学路として利用する人など気持ちの良い空間があり、地域の鎮守として親しまれていることが分かります。
秋葉神社、稲荷神社など境内社が多く、それを守る狛犬、狛狐さんの造形美が素晴らしく感じます。破損も激しくなりますが今後も守っていって欲しいものです。
おわり