台風の影響からか、新潟三条で40℃以上、東京も残暑が厳しいです。台風10号は大型のようで被害がでなければ良いのですが心配です。
さて前回の地元のお寺、常楽寺の続きで、本堂についてです。受付所でご本尊の拝覧をお願いしたところ、快く本堂の鍵を開けて戴きました。
外からは小さな本堂ですが、内部は立派な仏像があり感動でした。
ご本尊阿弥陀如来は伝行基菩薩の作といわれます、二尺五寸の坐像で制作年代は平安時代末期とされています。ヒノキの寄木造の像で、漆箔が施こされています。
像形のとり方、顔の表情、衣紋の優美な彫り方など優れた技巧です。
平安時代末期の稲城地域にも、これだけの鑑賞にたえる仏像を擁する、文化と経済力の背景があったのかと驚かされます。
その本尊阿弥陀如来の左右に侍していますのが、観世音菩薩像、勢至菩薩像で、ほぼ同じ形態をしております。
ともに立像で、三尺七寸の木造寄木造りで所々に金箔をとどめております。両脇侍とも本尊と同じ平安時代末期の作とされますが作者に関する寺伝はなく不詳です。
三尊像の右側に迫力ある閻魔王像が鎮座しております。木造寄木造りで、三尺三寸の坐像です。
像内に元禄12年(1699)、常楽寺住持権大僧都・生山運海自作との墨書があります。
尚、本尊阿弥陀如来像、両脇侍の観世音菩薩像、勢至菩薩像そして閻魔王坐像は、昭和36年に都重宝指定を授けているようです。
パンフレットで知ったのですが、本堂外陣・鏡天井に描かれた「飛天図」という天井画があるというのです。
残念ながら天井まで見ておりませんでした。二人の飛翔する天女が隆々たる筆勢で、のびやかに表現されているそうです。またの機会に見に行ってきます。
御朱印ですが受付所で戴きました。「聖観世音菩薩」で、多摩川札所第十六番とあります。
常楽寺は緑も多く、見所も多く、近くに素晴らしいお寺がありました。
尚、多摩川三十四観音霊場というものがあり、此のお寺は第十六番ということです。第三十四番まであるようです。機会を見て回ろうと思います。
おわり