鳩森八幡神社の正面鳥居を後にして、神社の北側の庚申塔を見に行きます。その途中に「将棋会館」があります。
将棋会館は、よく聞きますが、やはり神社の将棋堂と関係があったのですね。現在対戦中の藤井さんと羽生さんとの王将戦のポスターもありました。
直ぐ先に庚申塔とその由緒の説明掲示板がありました。神社の外でしたが、鳩森八幡神社と町内有志にて管理しているようです。
庚申塔の屋根の上の猿がいます。
庚申塚の下にも三猿
猿は、庚申(かのえさる)の日の集まり、謹慎の態度を表すということで使われていると思います。地域で大事にしているようで、庚申塔がお堂に祀られているのを初めて見ました。
鳩森八幡神社の別当寺であった「瑞円寺」に行きますが、その途中に寺院がありました。
真言宗豊山派の寺院、「聖輪寺(しょうりんじ)」です。因みに、真言宗豊山派の総本山は、奈良の長谷寺です。
境内に入ると、聖輪寺案内と聖輪寺観音略縁起の説明掲示板があります。
山号を観谷山、院号を福聚院、本尊が伝行基菩薩作の「如意輪観世音菩薩」です。
その横に、ここにも見ざる、聞かざる、言わざるの三猿の庚申塔が在りました。この渋谷区の地域でも庚申信仰が盛んだったと思われます。
本堂に行く前に手水舎で、お清めです。
そして本堂です。
聖輪寺の創建年代等は不詳ですが、神亀2年(725)に行基菩薩が開創し、本尊の如意輪観音も行基菩薩の作と伝えられています。奈良時代に創建された御府内八十八ヶ所の中で最も古い由緒ある札所です。
扁額の文字は、山号の観谷山で、扁額の上に奈良の長谷寺と同じ「輪違い紋」が見えます。
本堂の柱に「本尊如意輪観世音菩薩」の看板があります。
そして、本堂の内部です。
本尊の如意輪観世音菩薩像は、秘仏で厨子に安置されています。如意輪観音は、8世紀頃の最初は二臂、そして空海の密教により六臂像と像容が変わった経緯があります。
拝観したかったのですが、住職によると元旦と7月の何日かの年2回、御開帳されるとのことです。
その他境内には、本堂の斜向かいに鐘楼、本堂左手の緩やかな階段を上ると墓地があります。
墓地に行く途中に六地蔵などの石像が並んであります。
そして寺務所で御朱印を戴きました。
この聖輪寺から2、3分、直ぐ近くの瑞円寺に向かいます。瑞円寺は、鳩森八幡神社の別当寺であった寺院で、禅宗の一つ曹洞宗の寺院です。山号が高雲山、院号を金剛院です。
瑞円寺の創建年代等は不詳ですが、庵室として創建、二代将軍徳川秀忠より寺領八石一斗の御朱印状を拝領したと云われ、開山は天寳宗悦と伝われています。
瑞円寺の山門です。寺号標に曹洞宗高雲山瑞円禅寺とあります。
山門に入ってすぐ右上段に無縁仏でしょうか、折り重なるように墓標があります。
参道を歩いて行くと右側に本堂が見えます。
本堂の内陣です。
最上段に釈迦三尊像が安置されています。真ん中が本尊の釈迦牟尼仏(釈迦如来)です。脇侍は文殊菩薩と普賢菩薩が多いのですが、はっきり分かりません。
本堂の左側に庫裡が続いています。
御朱印をお願いしようと思ったのですが、御用な方は、左の入口へとの貼り紙があったのでそちらに向かいます。
書置きですが、御朱印を戴きました。
瑞円寺は、梅林があるなど境内が広く綺麗に手入れが行き届いています。落ち着いた雰囲気の寺院で、今は冬ですが、春になると緑が豊かな寺院であると想像されます。
渋谷区は若者の街ですのであまり来たことがありませんが、このような神社、寺院もあるのですね。明治神宮も近いです。JR千駄ヶ谷駅へ向かうとドコモビルが見えました。千駄ヶ谷駅も近代的です。
おわり