今回の寺社参拝は、都心から離れ、東京都日野市の「八坂神社」です。日野市には、「新選組のふるさと歴史館」や「土方歳三資料館」、高幡不動尊、石田寺など新選組に関する場所が多くあります。
JR日野駅の直ぐ近くにある「八坂神社」も新選組ゆかりの神社として知られています。京都東山の八坂神社は、全国にある八坂神社の総本社です。
御祭神は、素盞鳴尊(すさのおのみこと)で、御利益は、縁結び、五穀豊穣、疫病除け、子孫繁栄等々です。
八坂神社の創建年代は不詳ですが、多摩川より発見した牛頭天王像を奉遷し、社殿を建立したと伝承されます。慶安元年(1648)には徳川家光から社領免除と朱印地十四石を拝領した日野郷の総鎮守社です。
駅前の通り(甲州街道)沿いに八坂神社の鳥居があります。
鳥居に行く前に5月の「ひの新選組まつり」を知らせる貼り紙がありました。新選組隊士パレードのイベントが行われるようです。
そして、鳥居の脇に「天然理心流奉納額」の説明掲示もあります。安政五年(1858)、天然理心流の25名によって八坂神社に剣術額を奉納したことが分かります。
欅の板に大小2本の木刀が架けられた額で、新撰組が奉納した剣術額の写真、近藤勇、沖田総司の名前もあります。
また、昭和3年の本殿を保護する覆殿を造営の記念写真も掲示されています。
鳥居から入ると真っ直ぐ向こう側に社務所が見えます。その前に大きな切り株があります。旧御神木のようです。
鳥居の左右に大きな燈籠があり、その脇に筆塚もあります。
境内は広く開けており、右側に手水舎、社殿があります。
手水舎です。
そして社殿です。大きく2階建てのように見える社殿ですが、これは本殿を保護する覆殿(おおいどの)が中の本殿を守っているからです。珍しい社殿の造りです。
社殿の前の阿吽の狛犬です。
確かに、覆殿が拝殿奥の本殿全体を覆っているようです。
社殿の正面ですが、拝殿の奥の本殿を見ることができます。本殿にはたくさんの彫刻があるのも見えます。
社殿の正面に社紋と思われる二つの紋があります。一つは「右三つ巴紋」でもう一つは「祇園守紋」(ぎおんまもりもん)です。
三つ巴紋は、左が多く「右三つ巴紋」は珍しいと思います。
祇園守紋は、京都の八坂神社にて頒布されていた御守を表したようです。
尚、京都東山の八坂神社も社紋が二つあります。「左三つ巴」と「五瓜に唐花(ごかにからはな)」です。
扁額の文字は、八坂神社です。
本殿です。本殿は寛政12年(1800)に再建されたものです。奥の左右に錦の御旗のようなものが見えます。
柱などにも細かい彫刻が施され、壮麗な造りとなっていて、日野市指定有形文化財(建造物)に指定されています。
八坂神社本殿について説明掲示板があります。
社殿の左側に境内社の「八幡社」があります。境内社としては立派で、龍の彫刻も施されている。
内部には庚申信仰による青面金剛像(しょうめんこんごう)や合祀された弁財天像が奉納されています。
また、八幡社の手前に小さな祠の山王社があります。
そして御朱印を戴きに社務所に行きます。社務所の前には旧御神木の切株があります。旧御神木は、境内の中央にあり、相当な大木だったと思われますが、危険などの事情で切らざるを得なかったのでしょうか。
御朱印は幾つかの種類があります。
新選組の「だんだら模様」が入っています。字体が太く面白い字体です。猫之日とあり、下に猫が踊っています。
御朱印帳が残り少なくなったので買い求めました。これにも「だんだら模様」が入っています。
八坂神社は、なかなか見所が多い神社でした。本殿を保護するという覆殿や二つの社紋などは、珍しいものでした。
天然理心流奉納額も新選組との関わりなど当地の歴史を伝えてくれています。何種類かの御朱印帳、御朱印も力を入れていることが分かります。
今年は極寒ですが、境内の「白梅」が咲きだしており、春も近いです。「セグロセキレイ」も境内を散歩しています。ハクセキレイは見かけますが、セグロセキレイは比較的珍しいと思います。
おわり