薬師如来と成田山不動尊の常性寺

 今回も調布市ですが、京王線調布駅の一つ隣の布田駅近くです。鎌倉時代に創建された由緒ある真言宗豊山派の寺院、常性寺(じょうしょうじ)です。

江戸時代に祐仙法印が上総国成田山新勝寺より成田不動尊を勧請して中興したと云われます。以来、「調布不動尊」と称されています。

 山門の前に成田山の石標、子育て地蔵尊、そして摩尼車があります。

成田山の石標

子育て地蔵尊

摩尼車

寺号標「調布不動尊」のある山門から境内に入ります。

調布不動尊の寺号標 山門

境内全体風景

 境内は、本堂の薬師堂、不動堂、地蔵堂を中心に構成されています。庭園、池、石碑などよく配置が工夫され、整然としており、手入れが行き届いていることが分かります。

境内の様子

 先ずは、右側の地蔵堂方面に向かいます。地蔵堂に行く途中に弘法大師像、馬頭観音塔などがあります。

南無大師照金剛像 真言宗の開祖弘法大師の像です。

 馬頭観音は、六観音の一つで、破邪顕正、人々の煩悩を断つなどの功徳をもつ仏とされます。頭上に馬頭をいただくことから、民間では馬の守護神として江戸時代中期以降広く信仰されるようになりました。

馬頭観音塔は、念仏供養、道供養として建立されますが、馬の供養のため建てられることが多いです。稲城市はじめ多摩地区に多く見られます。

馬頭観音

馬頭観音

 掲示板によりますと、文政7年(1824)の造立のようです

調布市教育委員会掲示

そして、地蔵堂です。

地蔵堂近くの手水舎

地蔵堂

 

地蔵堂内部

たった一つのお願い事を託す、一願地蔵尊です。

たくさんの地蔵像が並んでいます。

地蔵堂馬頭観音塔は近くにあります。

地蔵堂馬頭観音

 そして、不動堂、本堂へと向かいます。参道を真っ直ぐ行くと本堂の薬師堂です。

本堂への参道

本堂傍の手水舎

手水舎一つとっても洒落た感じがします。本堂と山号の医王山と書かれた扁額です。

本堂の薬師堂

扁額 山号の医王山

御本尊は、薬師如来です。鎌倉時代に造像された金銅仏で、高さ2尺5寸の座像で、左手には薬壺を持っています。

御本尊の薬師如来 本堂の扉越しに撮影 三尊像です。

 本堂の手前に不動堂があります。不動堂は鎌倉時代多摩川沿いに創建されましたが、慶長年間(1596~1615年)に旧甲州街道沿いに移築し、現在に至っています。

不動堂には、成田山不動尊を勧請した不動明王をお祀りしています。

不動堂

不動堂の彫り物

 この調布不動尊は、上総国成田山より成田山不動尊を勧請した不動明王を中心に、降三世明王軍荼利明王大威徳明王金剛夜叉明王を加えた五大明王をお祀りしているようです。扉越しには、よく拝観出来ませんでした。

その他、境内には、石仏、神木など色々なものが祀られています。

布袋尊

不動明王

神社の神木のようなイチョウの大木とその足元に六地蔵がいます。

神木と六地蔵

最後に御朱印です。寺務所で書いて戴きました。

寺務所

御朱印

関東八十八ヵ所第69番札所

御朱印は何種類かありましたが、御本尊の薬師如来と調布七福神の一つに数えられています「布袋尊」の2種類です。

 

 常性寺の境内は、狭いながらコンパクトに整然としており、庭園などよく手入れが行き届いている印象の寺院です。

本堂である薬師堂の薬師如来三尊像をはじめ一願地蔵堂五大明王をお祀りしています不動堂を有しています。お堂を開放するときにまた来たいと思います。

 

参考:常性寺ホームページ

   境内内の看板

                           おわり