東京国立博物館で「立体曼荼羅」鑑賞

10連休、令和フィーバーも終了し、だいぶ疲れ気味の日本列島ですが、わたしは、いつも通りの生活でした。

ただ終盤に、東京国立博物館で開催中の東寺「立体曼荼羅」を見てきました。

予想通り、チケットを買うときから並んでいて、結局会場の平成館に入るまで1時間近く待ったでしょうか。

この展覧会は、第1会場は、曼荼羅の絵図や密教法具など、第2会場には、仏像中心でした。

1会場の風信帖(ふうしんじょう)は、今回展示されていたのは意外な収穫でした。

空海最澄に宛てた手紙であり、国宝に指定されています。京都の東寺には、展示されていなかったと思われますが、実物を見るのは初めてでした。

やはり空海の書は、素人目にも達筆ですね。三筆の一人ですが、他に嵯峨天皇橘逸勢と云われています。

嵯峨天皇は、文人でもあり、空海に理解を示していました。また橘逸勢は、空海遣唐使として一緒で、行きも帰りも同じ船です。

結局、空海と関係ある人物です。

 

風信帖の年代ですが、九月十一日の月日だけ書いてあるのですが、残念ながら、元号は書いてないのが惜しまれます。

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空海から最澄への手紙「風信帖」

 またこの会場で目に付いたのが、密教の法具の五鈷杵(ごこしょ)、五鈷鈴(ごこれい)です。

毎年一月の後七日御修法に、高僧が使う密教の法具ですが、重量感たっぷりで、持つのもずっしりとくるのではないかと思われます。

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密教の法具の五鈷杵、五鈷鈴  五鈷杵を持つ空海

 

そして、第2会場の立体曼荼羅です。

さすがに大日如来坐像、不動明王像は来ませんでした。東寺が空っぽになるからでしょうか。

やはりメインは、イケメンの「帝釈天騎象像」です。実はこの一体だけ、写真撮影OKなのです。

回りに多くの人が集まり、シャッター音が響きます。その日本的なシャープな顔立ち、半跏の姿勢で白象にのる姿をじっくりと鑑賞出来ました。

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帝釈天騎象像
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        拡大像              後ろから撮った像

 

これだけでなく全ての像が、配置を工夫しており、ぐるりと回りから見ることが出来ます。

 

また、目立つのは、降三世明王(ごうざんぜみょうおう)立像です。

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          降三世明王立像

 

面八臂、つまり正・左・右・背面に四つ顔があり、腕は八本あります。

胸前で左右の本手をねじるように組む、参世印が特長です。

残った六本の手それぞれに、三鈷杵など密教の法具や武器を持っています。

また、ヒンズー教の神中の神、シバ神とその妻を踏みつけているのは強烈です。

密教ヒンズー教と関係あると思われるのに、なぜヒンズー教の神を踏みつけているのか、 不思議です。

やはりヒンズー教カースト制度が、関係しているのでしょうか。

 

いずれにせよ、空海ワールドを堪能した一日でした。