この大学に入って気づいたのですが、教授陣は、メディアによく見かけるような著名な先生方がおられます。
日本古代史の木簡などの研究で、一昨年文化功労章を受けた東野名誉教授(一昨年退官されました。)、そして何人かが、テレビの歴史番組にたびたび登場します。
先日も、奈良の散策番組で興福寺の阿修羅像が話題になっていました。
阿修羅像は、仏像の中でも、凛々しくて憂いを含んだ神秘的な表情で、最も人気があるのです。
その番組の中で、阿修羅像の健康診断と称して、3DデジタイザやX線CT(コンピュータ断層撮影)を使って、仏像など文化財の健康診断や内部構造を研究している今津教授が登場されました。
X線CTスキャナで撮影された阿修羅像の内部には別な顔があった、という驚くべき発見を説明されておりました。
また、現在は愛知県立芸術大学の名誉教授の山崎先生も登場し、仏像修復学の権威として、その理由を推測しておりました。
当時は、光明皇后の時代で、皇后の皇太子が1歳で亡くなり、もし存命なら6,7歳で、仏師が光明皇后への忖度で、その顔を修正したのではないかと推測していました。
つまり、若くして亡くなった皇太子のために、仏師が、怒りの表情を、悔い改め、浄化されたようなやさしい表情の顔に造り替えたというわけです。
阿修羅像の顔 内部の痕跡から復元された阿修羅像の顔
実際にこのお二人には、講義を受けました。
山崎先生には、螺髪(らほつ)を作る実習で、つたないわたしの手つきを見かねて、直々に教えて戴きました。
文化財の健康診断について講義する今津先生 観音菩薩の衣装について講義する山崎先生
また最もメディアに多く登場するのが、千田教授と上野教授です。
千田教授は、城郭考古学の第一人者として、歴史番組の城郭に関する番組には、必ずといっていいほど登場します。
前学長で、NHKの大河ドラマ「真田丸」の城郭考証者でもありました。
また、上野教授は、万葉集の研究で知られており、今回の万葉集からとったという「令和」の改元では、その解説などを、テレビで拝見しております。
今年の8月のスクーリングでは、古事記に関して講義を受けるのが楽しみです。
奈良大学のスクーリングは、教授と補佐する教え子の大学院生が一体となって講義され、また学外実習として、寺院への散策などをまじえるので、楽しみ満載です。