中国の「一帯一路」政策

本日は新元号が「令和」と決まって、日本中、大騒動の感があるが、関係者は安堵しているあでろう。

最初、聞いたときは、意外な感じがした。「令」は律令、養老令など頭に浮かび、そぐわない感じさえした。

「和」は昭和とだぶる。

 万葉集が出典で、「令」の意味は、よい、りっぱなという意味があるという事で、万葉集の「令月」をめでたい月と訳している。

これまで元号漢籍を出典としてきたが、今回国書からとったのは、まずまず良いかなと思う。すぐに慣れるであろう。

 

それでは本題に入ろう。

先日、中国が主導するシルクロード経済構想にイタリアが参加する事を決定した、との報道があった。

中国とヨーロッパは、歴史的に見ても長安からローマを結ぶ貿易の道「シルクロード」により盛んに行われた。

「一帯一路」は、中国から中央アジアを通ってヨーロッパに至る「陸のシルクロード」に加え、南シナ海やインド洋を通ってヨーロッパ、アフリカなどに至る「海のシルクロード」を再現する構想を打ち出している。

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一帯一路構想

「一帯一路」はいわば、現代のシルクロードであり、参加国は、いまや123カ国まで増えており、巨大な経済圏構想である。

 具体的には、中央アジアや中東などの国々は、道路や鉄道、港湾、通信網といったインフラが不足しており、これらを整備して、貿易や交通を便利にすることを目的に掲げている。

このお金を出すため、シルクロード基金と呼ぶ資金も用意している。

しかし、中国政府から融資を受けたが、返済困難になり所有権や運営権が中国側に渡った例もあり、中国の影響力を強める結果となっている。

 

中国は、この「一帯一路」政策をとる習近平国家主席になって、軍事費も年々増額し、またチベット自治区、新疆ウィグル自治区漢民族主体に進め、強固たる国家を造り上げている感じがする。  

アメリカが、自国第一主義により求心力が衰え、逆に中国の求心力が増し、アメリカと中国の今後の覇権争いは激しさを増すと思われる。

 

ここで、「一帯一路」と似通うように思われる、歴史上の朝貢貿易がある。

朝貢は、唐に始まって、明朝において確立されたものであるが、明の例をみてみる。

永楽帝の命を受けた鄭和(ていわ)は、東南アジア諸国からインドのカルカッタ(現在ベンガル語の呼称でコルカタ)やアフリカのケニアまで到達し朝貢貿易を推進した。

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鄭和の石像

鄭和は、雲南省出身で、宦官でムスリムイスラム教徒)でもあったが、7回も大艦隊をひきいて出航している。この時代に中国にムスリムがいたこと、そしてアフリカまで大航海を実施したことに驚きを感じる。中国はやはり大陸的であり、スケールが違うと感じる。

 

このように歴史上の例から考えても、何年後か分からないが、世界は、中国を中心に回ると思うがどうだろう。