先日、東京都国立博物館に行きましたが、その帰り、同じ上野恩賜公園内にあります上野大仏に、ちょっと寄りました。
以前、「おもしろ仏像」のことを書きましたが、この仏像も間違いなくおもしろ仏像にはいります。
なにせ、顔面しかないのですから。それには悲しい受難の歴史があるのです。
仏の顔も三度までという言葉がありますが、何と三度ならず四度受難にあった仏像なのです。
江戸の初期、大仏殿に像高約6メートルの釈迦如来坐像として建立されました。その後、地震により倒壊、金銅仏として再建されましたが、火災に遭います。
その後も、安政の大地震によって頭部損傷しましたが、修復して蘇りました。しかし、関東大地震によって、頭部が落下、そして遂に、胴体も戦時の金属供出で失われます。
それでも大仏は生き残ったのです。
何と、顔面部のみがコンクリートの壁面に、レリーフ様として保存されているのです。
しかし、不思議なもので、胴体を失った顔面はいつからか「これ以上は落ちない」という意味で「合格大仏」と受験生に大人気なのです。
受験シーズンともなると、合格大仏として、合格祈願に訪れる受験生の参拝が、多くなっているようです。
場所は、上野駅の公園口から近いです。上野動物園方面に歩いてさくら通りを、右に行くと東京都国立博物館ですが、左に行き直ぐに「上野大沸」と書かれた看板が目に付きます。少し小高い所にあり、階段を上るとあります。
そして隣に、どういう関係があるのか、パゴダが並立しています。薬師仏を祀るミャンマー様式の仏塔で、内部には、中央に薬師如来、左側に月光菩薩、右側に日光菩薩を安置されているそうです。
本尊の薬師如来は、病気を治して衣食住を満たすという「十二の大願」を立て、生きている間に願いを叶えてくれると云います。
日光菩薩と月光菩薩を脇侍として、三尊として並ぶことが多いのですが、中は見られません。一度見たいものです。
ついでですが、上野動物園への四つ角に、いつも大道芸人が芸を披露して、人が集まっております。芸とともに話術が巧みで、笑いを誘っています。
以上