奈良大学博物館実習(二)始まる

 いよいよ奈良大学博物館実習(二)が始まりました。今回前半と来月予定の後半の実習が終了すれば、もう奈良大学には来ることも無くなります。

前泊していつもの高の原駅からバスで奈良大学に向かいます。入門して検温、消毒後に教室に向かいますが、大学の状況は、オンライン講義のせいか食堂、売店など開いておらず寂しい感じです。

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奈良大学キャンパス(2021年9月6日)

 今の学生は、本当に可哀そうな気がします。思い起こせばわたしの学生生活は、講義の前後、クラブの狭く薄暗い部室で、後輩、先輩たちと歓談するような毎日でしたが、今の学生はそういう交流もなく、自宅でオンライン講義を聞いてレポートを書く、そんな生活に明け暮れているのでしょうか。

そんな講義の仕方に授業料が高すぎると訴訟を起こした学生の報道もありました。

 そんな中でのリアル講義と実習です。本来5日間連続でしたが、2回に分けて今回は、2日間の座学中心でした。通信生は10数名でしたが、通学生約40名と合同です。

 講師は、奈良大学博物館長の関根教授と岡田教授が担当されましたが、お二人とも奈良大学の前に奈良国立博物館文化財研究所などにも在籍されていたようで、様々な知識と色々なご経験を積まれたことが講義の中で分かります。

 二日間の内容は、奈良大学博物館の紹介、最近終了した本年度の企画展、東大寺龍松院筒井家所蔵の「拓本展」の紹介そして博物館における環境と防災対策、展覧会の作り方など学芸員が実際関わる項目が中心に行われました。

最後に奈良大学博物館のギャラリーの見学と説明で、今回の実習は終了しました。

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奈良大学博物館のギャラリーで説明する関根館長

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展示作品の絵画、掛軸 内容は説明されましたが失念。

 博物館前の様子です。

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奈良大学博物館前

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博物館前の十二神将立像(復元模造)

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金剛力士像 吽形(型取模造)

 次回の実習3日間は、来月、奈良大学博物館にて行うとの説明もあり、少人数で、絵画と仏像の実際の文化財をギャラリーにどのように展示するかの実習を行うようです。以前、大東市の歴史民俗資料館で行う予定でしたが、奈良大学博物館に変更になりました。コロナ禍でいろいろ大学側も考えたようです。

 

 東京は冷たい雨が降り、初秋の様相を呈していますが、奈良は、まだ残暑で暑かったです。

 講義の帰りには、晩夏の奈良の風情を楽しもうと、近鉄奈良駅から興福寺の方へ足を向けます。いつもは興福寺辺りからシカが現れるのですが、観光客が殆どいないせいかシカも現れません。やっと

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奈良国立博物館前のシカ 健在

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興福寺中金堂の受付前に座る寂しそうなシカ

 奈良は観光都市ですから、さらに経済状況は厳しいと思います。ホテルを予約したととき、常宿は、閉館、もう一つはコロナの療養施設となっているようでした。本当に厳しく様変わりしているようです。

 猿沢の池から見る興福寺五重塔の風情が好きなので、それを見てホテルに戻りました。興福寺では、中金堂と宝物館の間辺りで発掘の工事が行われていました。まだまだいろいろな調査があるのですね。修復工事は伽藍のどこかで行われています。

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中金堂横の発掘工事

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晩夏の興福寺

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猿沢の池の辺り 九重塔と采女地蔵

 10月の実習の日程については、後ほど事務局から連絡があるようですが、1か月後コロナはどうなっているのでしょうか。

                            おわり