9月の末に幼虫がトマトの枝に止まっていることをブログに載せましたが、その後の観察記です。全長10cmはあろうかという色も派手で、奇怪な幼虫です。
何者か調べますと、どうやらアゲハの幼虫らしいのです。アゲハにもキアゲハ、クロアゲハなど多くの種類がいます。しかし、どの種類の幼虫にもこのように黄色い幼虫は見当たりません。全体の感じからすると、アゲハの幼虫と思われます。
アゲハの幼虫は、卵から孵化して4回脱皮して蛹(さなぎ)となります。そして羽化してあの華麗なアゲハチョウとなるのです。
この幼虫は、大きさから脱皮を4回繰り返した終齢幼虫(5齢幼虫)で、あとは蛹となって冬を越すことになると思われます。
扨て、トマトの枝に止まっていた幼虫は、このトマトの葉を全て食べつくし枝しか残っていません。
下へ降って別の葉を探しに行きます。角のようなものが付いている方が尻尾で、その反対側が顔です。
降った幼虫は、別の葉を食べようとしますが、どうやら好みではないようです。
この葉っぱを食べようとしたのですが、あまり美味しくない。他に移ろうと思っているようです。
そして、とうとう緑の葉っぱとは関係ない、木の台に乗っていました。
これでは可哀そうだと思い、別のまだ葉の付いたトマトを持って来て、幼虫を台から移しました。余計なことをしたかも知れませんが。
そうするとどうでしょう。何事も無かったかのように喜んで食べているではありませんか。一体誰が、こんな良い所に連れて来てくれたのか、と思っているかも知れません。
トマトの花も食べちゃいます。
暫くの間、このトマトの枝を移動しては、葉っぱを食べていました。
しっかり、たくさんの足で枝を掴み夢中で食べています。
この幼虫は、食べているときは、色々な格好をして楽しませてくれます。今のトマトの葉や花も食べ尽くしそうな勢いです。体全体が柔らかく伸縮自在です。
そうこうするうち、ある日のこと、突然幼虫がトマトの枝からいなくなってしまったのです。辺りを探しましたが、少し離れたところの万両の頼りない木にしがみつていました。野鳥に食べられそうにと思うのですが、このまま蛹になるのでしょうか、少し不安定な気がします。
それからまた暫く経って、あれっ、また居なくなった。不安定だったのか、少し離れた別の万両の木に移って、下の方に止まっていたのです。しかも、尻尾が上、頭を下に前と逆です。また、色も背中の方が黄色から橙色に変わっていたのです。
やはり、ここで蛹になって冬を越すのでしょう。やっと落ち着いた場所を見つけたと、この考えは間違いないと思っていました。
ところが、暫くして見に行くとどこにもいないのです。懸命に辺りを探したのですが、とうとう見つかりませんでした。
一体どこに行ったのでしょう。野鳥やニホントカゲ、ネズミなどの小動物に食べられたのでしょうか、残念です。
これが、自然の摂理なのか、願わくは、どこかに隠れて冬を越してキアゲハにでも蘇って欲しいと思います。
おわり