4年ぶりでしょうか。毎年、両親の墓参り、小学校のクラス会などで札幌に行っていましたが、コロナ明け初めての札幌です。
今年は、墓参りなどと共に、札幌市街から近い藻岩山登山を計画しました。藻岩山には、ロープウェイや自動車道が通り、札幌市民や観光客の行楽地となっています。
しかし、麓に観音寺という浄土宗の寺院を起点とする登山コースがあることで、登山としました。藻岩山各所に、西国三十三所観音霊場を模した三十三体の観音像が安置されている登山コースです。息子が札幌に単身赴任なので、一緒に親子登山となりました。
藻岩山の登山コースは幾つかありますが、「慈啓会病院前コース」で、距離は、約2.9kmです。往復で2時間半位とのことです。
先ず、観音寺の駐車場に車を置きます。
わたしは、ススキノにホテルをとっていますが、そこから車で西へ12,3分という近さに、自然豊かな山があります。
慈啓会病院入口コースの登山口です。登山口には公衆トイレや水場があります。
「藻岩山ルート山頂付近」の案内板です。
標高531mの藻岩山は、北側斜面が深い原始林で、1921年に北海道で第1号の天然記念物に指定されました。約100種類の樹木類と約450種類もの植物、約80種類の野鳥が生育しています、との説明やルートが記されています。
そして、「熊出没注意の掲示板」です。
8/13にヒグマの目撃があったということです。道理で、これから会う登山者の殆どが鈴を鳴らしていました。ここの登山者は、常連で四季に応じ何度も登っているようです。
扨て、いよいよ登山です。わたしは、低山ながら山登りは何十年ぶりかです。
直ぐに案内板です。山頂まで2.9kmです。
早速、登山道に入って最初の観音像です。観音像横には御詠歌の歌碑があります。
観音像の碑に何番目か刻んであるのですが、何故か「一番」ではなく「二番」です。帰りに確認しようと前に進みます。参拝道として切り開かれたのは明治19年、三十三観音は明治34年に、二代目住職によって安置されました。↓
「天然記念物藻岩原始林」の石碑です。藻岩原始林全体が天然記念物ということに驚きです。
三番、四番観音像で、歌碑もあります。
エゾマツ、センノキです。北海道の代表的な樹木です。
オニグルミです。下に、たくさんクルミが落ちていました。
何の木か分かりませんが、相当古い大木のようです。
五、六番観音像
倒木です。
七番観音像は、倒木の下に、上手く合わせて安置されています。
八、九番観音像
少し開けた「日本初のスキーリフト跡地」がありました。
1946年に日本で初めてのリフトを備えたスキー場が、藻岩山に設置されたようです。広場のようで休息のポイントです。
クマゲラが空けた穴でしょうか。北海道に生息するクマゲラは、日本最大級のキツツキの仲間です
十番観音像
山道の途中に、札幌の街並みが見えます。
十二、十三観音像
この辺りから登り坂が急になって、きつくなりました。
もう少しで「馬の背」です。
そして、何とか「馬の背」分岐点に到着しました。
ここで、旭山記念公園、小林峠のコースと合流します。藻岩山山頂は、左へ1.1kmです。
標識の傍らの十八番観音像です。
そして、この辺にベンチが幾つかあり休息します。
休息後、出発します。山道から札幌市の市街がはっきり見える所があります。
徐々に岩が見え始め勾配が急になります。転ぶと怪我の恐れもあるのでゆっくり進むのですが、この辺りでバテバテです。少し歩いて、また休息をとるという有り様です。
岩むき出しの急勾配の山道が続きます。
三十一番、三十二番観音像です。
そして、いよいよ山頂です。険しい登山道を登り切って、ようやく山頂に辿り着きました。
展望台へ上がります。展望台から札幌市街の眺望です。
左のこんもりした緑が円山です。
やや上の緑の帯が北大の構内です。
やや上、左が「札幌ドーム」です。
市街の反対側の眺望です。恵庭岳などが見えます。
展望台の下に、麓の観音寺の奥の院が見えます。
展望台にある「幸せの鐘」です。
展望台からの眺望を終え、昼食を済ませ下山に向かいます。岩場、階段に滑らぬよう気を付け、下山はスムーズでした。
「一番観音像」と「三十三番観音像」は、遂に藻岩山にはありませんでした。実は、麓の観音寺にあったのです。観音寺の一番観音像から出発し、観音寺の三十三観音像に戻るというしかけになっていました。
一番観音像は観音寺の門前の駐車場脇にあります。橙色の矢印、歌碑に刻まれています。
そして、三十三観音像は、観音寺の山門をくぐり、直ぐ右側にあります。橙色の矢印の観音像に刻まれています。これで完結となります。
所感
わたしは、学生時代のクラブ活動で、北海道の山をかなり登って来ました。札幌近郊の無意根山、空沼、札幌岳そして羊蹄山、暑寒別岳、大雪山系の旭岳、トムラウシ、知床の羅臼岳、日高山脈の幌尻岳、エサオマントッタベツ、カムイエチカウシ岳など、思いついた山がすらすらとでて来ます。
よもや、541mの藻岩山にこんなに苦戦するとは予想だにしなかったのです。歳を重ねては、昔取った杵柄も通用しませんでした。やはりどんな低山でも登山は登山であると痛感した次第です。
確か、冒険家の三浦雄一郎氏が、65歳のとき、藻岩山登山ですら不摂生のため息切れしたと云います。そのため体力を回復させ、5年後の70歳でエベレスト登頂の目標を立て成し遂げた話を聞きました。わたしは、その時のカトマンズの壮行会で三浦氏と話したことを思い出します。三浦氏はその後、75、80歳でも世界最高齢エベレスト登頂に成功しています。また、最近、90歳で車椅子富士山頂に到着しています。生涯の冒険家ですね。
今回の藻岩山登山者の皆さんは、常連なのか、登山ウェアを着て、ヒグマ避けの鈴を鳴らし、トレッキングポールを持って歩いている方が多かったです。
わたしの登山時代には無かった、ストックみたいなトレッキングポールは、便利な感じがします。登り、下りの他岩場でバランスをとるにも良いようです。折りたたみ式の物もあるようなので使ってみたくなります。
今度は、体力を考え準備して、もう一度挑戦しようかと考えています。
観音寺、そして山頂の奥の院にも参拝し、御朱印も頂きましたが、次回に報告させて頂きます。無事に戻れて良かったです。有難うございました。
おわり