港区新橋界隈ですが、「烏森神社」に続いて「日比谷神社」に参拝しました。
新橋駅から第一京浜を北に行くと直ぐの位置にあります。環状2号線との交差点にあり、交通量が多く、少し殺風景な所に鎮座しています。
御由緒
日比谷神社の創建年代は不詳ですが、古くは現在の日比谷公園内にあった大塚山という地に鎮座していたと伝わります。そして、日比谷稲荷明神・旅泊(さば)稲荷明神と称していたといいます。慶長年間、江戸城日比谷御門御造営により、港区新橋へ遷座、江戸時代には、「鯖稲荷」と呼ばれます。
明治5年には村社に列格、平成に入り、環状2号線工事着工に伴い現在地へ遷座しています。
御祭神
・祓戸四柱大神(はらいどのよつばしらのおおかみ)
瀬織津比賣大神(せおりつひめのおおかみ)
速開都比賣大神(はやあきつひめのおおかみ)
気吹戸主大神(いぶきどぬしのおおかみ)
速佐須良比賣大神(はやさすらひめのおおかみ)
ビルの狭間、朱色の鳥居が目立ちます。
鳥居の前の社号標です。かつて、日比谷の地から遷座し名前はそのまま「日比谷神社」です。
石段を上ると、左手に手水舎があります。その後ろにJRの路線が見えます。
龍の吐水口からのかけ流しです。コロナ禍から、柄杓無しのこのような手水舎が多いと感じます。
社殿に進みます。平成21年(2009)に、都市道路計画(環状2号線)により、建造されました。
扁額です。
東側からの景観です。賽銭箱に社紋が見えますが、左三つ巴の変形のようです。
社殿の西側に、境内社の稲荷社があります。祠の前に2対のお狐さんが守っています。
稲荷社の前の少し厳しいお顔の狛犬です。
授与所にて御朱印を頂きます。
おわりに
日比谷神社は、新橋という日本を代表するビジネス街の中にあります。高層ビルを背景にしたこぢんまりとした落ち着きのある神社でした。
徳川入府前の江戸は「日比谷入江」と呼ばれる入江があり、現在とは随分と地形が違います。日比谷神社は、そうした日比谷地区の鎮守であり、当時は地名から「日比谷稲荷明神」あるいは「旅泊(さば)稲荷明神」とも呼ばれたようです。
この旅泊(さば)稲荷から江戸時代にしゃれで「鯖稲荷」となるとは、江戸っ子の粋の表れのように感じます。当時はこの入り江で鯖がとれたのでしょう。頂いた御朱印の左上の魚の絵は、鯖のようです。
以上